品質に見合った対価というものがあるものです

「じゃあ、マナに任せるよ」

 あなたは言いました。

「任せてください!」

 マナは元気よく答えるとズンズンと歩きはじめました。

「あの店ならラーメンじゃなくてもうまいもん食えそうだな」

 ボイは駆け足でマナを追いかけ何やら話し始めました。

「大丈夫であって?」

 不安そうに見上げてくるドゥーニャに決めてしまったからには、と強く頷きかけてあなた達は先を歩く二人を追いました。


「いらっしゃいませ」

「うわ~すごいですね」

 店は外装だけでなく、内装も豪華な雰囲気に包まれていた。

 全体を通して、金、金、金。イメージカラーは? と聞かれたら即座に誰もが金と答えるようなドアから何からが金。

 そして、店員さんはズラーッと並び頭を下げてあなた達を出迎えた。

「ご案内いたします」

 一人のメイド服姿の女性が歩き始めた時、背後からドタドタドタとその場には似つかない大きな音が響いてきた。

「君たち! 急いでそこを出るんだ! まだ間に合う!」

 知らない顔の男は滑るように左から右へと見切れてしまった。

 再びドタドタ音を鳴らして戻ってくると、

「さあ!」

 と手を伸ばしてきた。

「何だよ。兄さん嫉妬か?」

 ボイは期限を損ねたように声を低めて言いました。

「違う! 俺は君たちのためを思っていってるんだ。だが君たちがそれでも進むというのなら止めはしない!」

 暑苦しく息を切らしゼーハー言いながら話しているのに声量を小さくしようという雰囲気を全く感じさせない様子で男は続けました。

「その先へ進めば戻ってくることはできなくなるぞ」

「ど、どうします?」

 マナはここに来て自分で言いだした事を後悔したように顔を青くしています。

「ワタクシは彼を信じたほうが良いと思ってよ」

 ドゥーニャは堂々と男の方へと歩を進めあなたに向き直りました。


男を信じる。

「突然の出会いもなにかの兆し」へ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894917063/episodes/1177354054895741789


店に進む。

「誰も彼もとはいかず」へ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894917063/episodes/1177354054895978730

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