このままを続けていたい

 ふわふわとした体感覚が少しずつ戻ってきました。

 草の上とは思えない柔らかな感覚です。

 極上のベッドの上のような、手触りの良い絹のような抵抗の少ない感覚です。

 身体はそれに抗うことを許さず、まぶたを開けることすら叶いません。

 それほどまでに温かい春の日だまりのような空間にあなたは再度の深い眠りを求めました。

 そのままの状態でいると少しずつ再び深淵へと戻っていく感覚があります。

 もう何も気にする必要のない無へと帰っていきます。

 指先から上がってくるように自分の意識との分離が進みます。

 脛、腿、腹、腕、胸、肩、首。

 残っているのは頭のみ、それでも抗う気力など存在するはずもなく頭からも感覚が離れていきます。

 プツン。

 

END 眠り
































最初へ。

「気まぐれな王家の頼みのお使い」へ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894917063/episodes/1177354054895315636

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