第174話 正式初対面

祭りの日々も終わりがけ、王様からお呼びがかかった。

ナニゴト。

執務室とか謁見の間とかじゃなく、応接室的な部屋へ呼び出される。

そこで紹介しようって、拉致犯とご対面となった。

聞かない聞かない。名前なんて覚えない。

ざっくり、隣国の公爵の嫡男でウンタラカンタラ公とだけ、承った。

「…で、ご紹介いただいた理由は?」

「娘との婚約が成立したのでな。正式な手続きはこれからになるが」

横目でちらりと視線をやる。しまった目が合った。

白々しくも跪いて挨拶が。

「初めてお目にかかります、当代の聖女殿」

目線同じにするのに、しゃがんだ。

「…え」

「聖女じゃないから。そういうのいいから」

公爵は困惑の表情で王様を見上げる。王様もちょっと困った顔。ウチへ帰れなくて困ってるのはこっち。

「姫様の婚約、お祝い申し上げます」

立ち上がり、王様へそう言った。

「では、これで失礼します」

「あの!お話がしたいのですが」

えー、やだー、とは声に出せない。

「のちほど部屋の方へ伺わせて下さい」

完全拒否するのもマズイかなぁ…

「分かりました。では」




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