第173話 外から見る夜会

さすがに夜は冷え込む季節になった。でも寒いのは我慢。窓の外からと言ったのはこっちだ。

そろっと覗く。

うひゃあ、キレイ、わくわくする気分は乙女。

二階から見下ろすホールにはドレスの花。ダンスのターンで広がる振り袖…

キレイだからいいけどさ。

「…タイムマーシンにぃ、おー願いーあははん、な風景ー」

「何ですか、それ」

それ、とはタイムマシンか、歌の方か?

「別に」

拉致犯発見。王様にご挨拶中か。お、姫様の挙動からすると顔合わせは成功かな。イケメンだもん、成功しなくちゃ。

黒幕としちゃ、成否は気になるところでしょ。

うぉ、何でこっち見るか?

ささっと窓枠の方へ引っ込む。勘のいいヤツ嫌いだ。

「さぁ、もういいですよね?そろそろ戻りましょう」

アルコールもないし、エーちゃんも寒いよね。少し震えているように見える。

名残惜しいが、うん、戻ろうか。風邪引いちゃ、マズイもんね。

来たとき同様、こそこそ引き返す。



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