第154話 誘拐

目が覚めた時、知らない天井は低かった。

どこだ、ここ?

もう、す巻きでもない。

ゆっくり寝返り、周りを見回す。

「お目覚めですか、聖女様」

お、イケメン。反対側へ寝返り背を向ける。

「聖女様?」

うぜぇ。イントネーションが微妙に違うから、この国の人間じゃなさそうだ。

「聖女様、お目覚めなのでは…?」

「うるさい、人拐い」

体を起こして、そう吐き付けた。

何ショック受けた顔してんの。城の警備が温かったとはいえ、拉致の自乗とか、ないわ。

起き抜けの不機嫌も加わって、怒りしかない。

「聖女様、お怒りをお静め下さい」

イケメンは跪いて、隣国の騎士団長だと名乗った。

「聖女様には我が国をお導き頂きたく、ぜひ…「知らん」

「隊長になんて態度だっ!」

ブチ切れたのは後ろで控えていた若いの。

「止めないか!」

隊長が慌てて立ち上がり、若いのを抑える。

しかしもかかしも言い募る若いのをなだめ、隊長はこちらへ向き直り再び跪いた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る