第85話 伝える技術

「ナントに蒸気機関の話したとき、絵を描いたよね」

言葉だけでは伝わらないし。

「うん、なるほどって思ったよ」

「じゃあ川に水が流れてますってことを、川も水も使わないで伝えられる?」

「またそんな…うーん、でっかい溝に透明な液体が流れてる?」

ナントは首を傾げながら、そう答えた。ちょっと突っ込む。

「川の水って透明だっけ?」

「ええっ?そんなこと言ったらさぁ」

「ゴメンゴメン」

「ああ、川と水という言葉によって、どういうものか、が共有されているんですね」

エーリーズも賢い。

「そう、名前が無くて共有されてないと話が通じない」

もう一つ。

「赤くて丸い。白くて甘い。でも同じ物」

「リンゴ、ですか?」

「ピンポン、なぞなぞだよね」

そんな会話が続いていたら、いい加減切れる。

「ガンバロウの頭が冷えるまで、待つしかないな」

「おばちゃん、ガンバロウには厳しくない?」

いンや、対応はみんな同じなんだけど、ちょっと高度なことすることになった分、そう見えるんだよ。

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