第55話 勉強か?遊びか
縦方向にもう1つ、ボタンを並べる。その横に5つ。
「じゃあ次は三の段」
「三の段?」
「さっきと同じだからね。さんには?」
「さんにはー、6!」
「はい、正解」
しばらく繰り返すと、セヴリップ王子は不満そうに口を尖らす。
「もう僕、覚えちゃったよ」
「そう?なら、ボタンしまうね」
手でさっとボタンをまとめる。
「にごは?」
「んーと、10」
「ほんとだ!覚えちゃってるね」
ちょっと得意そう。今度は問題を出してもらう。
「じゃあね、さんし!」
「11」
「え?」
「ん?合ってるかな?間違ってるかな?」
「えっと、間違ってます」
ボタンを渡すと並べてみる。
「ほら!12だよ」
何回か間違える。
「もう!おばちゃんわざとでしょ!」
「バレたか」
言いながら、またボタンを並べる。今度は横に9つ。
「増やしたよー」
「大丈夫だもん」
「いちごは?」
「えー?いちご?いちご…は5!」
「はい、正解ー」
そんな感じで、勉強させた。
勉強してるとは思ってないだろうけどね。
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