第26話 国王陛下の執務室

「いけません!国王陛下はお忙しいのですよ!」

すごい勢いでエーリーズに怒られた。

でも、だからこそ確認しときたいんだよ。

小父さんたちも渋い顔をしてる。

たぶんきっとダメ上司。決裁とかだけじゃなく、全部一人で抱え込んで、自爆してるタイプとみた。

「突撃しないだけいいでしょ?てか、通らないなら突撃するよ?」

必要なことだと思うのでね。

小父さんたちが、額を寄せてヒソヒソする。そして、OKが出た。

翌日、お部屋へお邪魔すると、思いっきり睨まれる。

「用が済んだら即刻出ていけ」

「もちろん」

漫画みたいに机の上へ積み上がった書類。

よーく、お顔をうかがえば目の下に隈。あんまり寝てないっぽい。そりゃ怒りん坊にもなるわ。

「見せてね」

上から一束取る。

…うわー、これは。江戸時代も筆で書類だったけど、これは…

ひらがなとカタカナだけ?一件何ページ?

ひらがなとカタカナってだけでもきついのに、長くてはたまらん。

「ありがとう。お邪魔しました」

お約束通り、さっさと退散する。

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