第40話 決着
「えっ、俺の目がどうかしたの?」
結衣と一ノ瀬は俺を見ながら驚いているようだ
でも、今はそんなことはどうだっていい
ナタリア先輩を助けることが最優先だ
「ナタリアさん、あなたは確かに強くて優しい」
「だから俺に負けるんです!」
「違うよ、副会長くん」
「優しいから私以外の仲間が強くなるんだよ」
「なるほど、やはり僕とナタリアさんは分かり合えないようですね」
「戦いが終わったらゆっくり話を聞きましょう」
副会長の拳がナタリア先輩に放たれた
「私は信じていたよ、、、凛くん」
「すみません、少し遅れました」
俺は副会長の拳を受け止めていた
「バカな、、、魔力を使えない君が僕の攻撃を受け止められるはずがない」
副会長は驚きを隠せないようだ
「確かに、副会長の言う通りですよ」
「ナタリア先輩の
「でも、厳密に言うと魔法は放てないんです」
最近、授業でやっていた
魔力は体内で生成されて、イメージで具現化する
そして、魔法を対外に放つ
でも、魔法はイメージや妄想によって様々な使い方に分かれる
一ノ瀬みたいに魔力をライフルなどの武器に生成するパターンもあれば
結衣みたいに魔力から水をイメージして水を様々な攻撃・防御の手段にするパターン
俺も炎をイメージしてシールドにしたり、剣にしたり弓矢にしたりする結衣と似ているパターンだ
そして、世の中には自分しかつか事のできないオリジナルの魔法を扱う魔法使いがいる
「ナタリア先輩の
「理屈は分かったが、お前のその異常な力はどうなっている」
「お前はどうやってこの空間で魔法を使っているんだ?」
「それは、魔力を纏っているんです」
「簡単に言うと俺の魔力そのものを鎧みたいな感じで」
「そんな、その魔法はナタリアさんしか使えない唯一無二の魔法のはず」
「国家機密レベルの魔法をこんな短時間で取得したって言うのか?」
副会長は動揺を隠せないようだ
国家機密って言ってたけど、そんなにすごいのかなこの魔法?
「まぁ、俺、史上最強の
「そんなわけで覚悟してくださいね、、、副会長」
「そして、ナタリア先輩」
「先輩は必ずしも、強くなくてもいいんですよ」
「えっ?」
ナタリア先輩は少し驚いているようだった
「だって、私は月城家の当主で魔法教会の役員で、、、」
「違いますよナタリア先輩」
「先輩は可愛い一人の女の子なんですから」
「たまには全てを背負わないで、俺を頼ってくださいね」
なんでだろう?
我ながらいいセリフを言ったと思ったのに
ナタリア先輩は顔を赤くして俺を全然見てくれない
「副会長、あなたのナタリア先輩への思いは察します」
「だけど、大切な人が悲しむ方法を選ぶことは間違ってんだろうが!」
「ひっ!」
「もう一回、頭を冷やせぇぇぇ!」
俺は副会長に全力の拳を与えた
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