第39話 先輩は強くなくていいんですよ

会場は異様な空気に包まれていた

あの最強の生徒会長である月城ナタリアが一方的に攻撃されていたからだ


「さぁ、どうしたんですかナタリアさん」

「このままでは学園も後輩も守ることができませんよ」


副会長は一方的にナタリア先輩を攻撃している

魔法は使えないから打撃攻撃だけど、、、


ナタリア先輩は魔力で打撃の威力を緩和しているが

解除魔法リリース・マジック、操られている二人を抑えつつ、副会長の攻撃を受けている。

急激に魔力が減少しているようで

明らかにいつもの余裕が感じられない


副会長は魔法が使えない俺は完全に無視しているようだ

確かに、俺は最強の魔法使い《中二病》だ

でも、今はその魔法が封じられてしまっている


「どうすればいいんだ、、、」


こんなにも自分にイラついたことはない

今までは最強の中二病魔法使いって言われるのが嫌だったけど


今は力が欲しい

大切な人、友達を守る力が欲しい

でも、、、その最強を封じられた時

俺はどうすればいいんだ



「やっぱり、ダメなのかな」

全てを諦めかけたその時


「凛!、諦めるなんて日本男児らしくないよ!」


俺の右手に力が伝わった

結衣が隣にいて俺の右手を握っていた


俺の左手に力が伝わった

「そうです!私が認めた鳳くんはそんな悲しい顔はしませんよ?」

一ノ瀬が隣にいて俺の左手を握っていた


なんだろう、この感覚

二人の魔力と優しさが俺の身体を包んでくれるような気がした

そして、俺はあることを思い出した


「結衣、一ノ瀬、、、ありがとう」

「二人のおかげでなんとかなるかもしれない!」


ナタリア先輩の解除魔法リリース・マジックにはある特徴があった

魔力を全て解除するわけではなく

魔法を無効化する


そして、は無効化されない


「凛、、、分かったて何が?」


「・・・・・・」

結衣の声も聞こえないくらいに俺は集中していた


魔法は

結衣と一ノ瀬の優しさが俺を包んでくれたように

俺の最強の魔力で俺自身を包み込んで

俺自身を強化する



「できた!」

「これで俺も戦える」




「鳳くん、その目は、、、?」



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