第49話

「はい、お待たせ」

「やれやれ」

 火属性魔法で火を起こし、それに手をかざして暖まりながら待つ事数分。ようやく着替え終わったようで振り返る。

「……なんでリゼが着てるんだ」

 俺の制服をリゼが着て、リゼが着ていた制服をスライムが着ている。

「だって、大きいんだもん」

「大きい方がワンピースみたいで良くないか?」

「それがね、大きすぎて落ちちゃうんだよね。身体が柔らかすぎるから」

「あー……だからか」

 おかげでスライムの格好は服を着たとはいえかなり際どいものだ。見せちゃいけない部分は隠れているが、ふとした拍子に見えてしまいそうな危うさを孕んでおり、着る前より何というか危ない匂いがする。大丈夫かこれ。

 そんな気も知らずスライムは物珍しそうに着ている服をひらひらとさせながら見ている。

「ヘインって……小さい子が好きなの?」

「いやそんな事は断じてない」

 俺が好きなのは普通にリゼのように年相応に成長した感じだ。小さくても幼ければ年相当と言えるがそういうわけではなく。、普通に同年代でという前提を立てた上で。

 まぁ、リゼは年相応かと言われると胸が些か大きすぎるが。

「そ、そうなんだ」

「大丈夫か、顔が若干赤いぞ。流石に身体冷やしてしまったんじゃないか?そろそろ戻ろう」

「おねーちゃん、大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫だから」

 本当に大丈夫か?それに既に湖畔を一周して疲れているだろうし、体調を崩すかもしれない。治癒魔法でどうとでもなるが、使わないに越した事はない。魔法をミスすると危険だしな。

 スライムを連れて氷の上を移動し、陸に戻ったところで氷を溶かす。

 火属性魔法で氷を炙る形で溶かしたため、辺りの湿気がすごい事になった。暑い。

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