第42話
凍った湖の上を移動して浮いてきたスライムに近づく。結構でかい。
麻痺ももう溶けたようでモゾモゾと動いている。……気色悪いな、なんだか。
「……で、どうするか」
「どうしよっか」
湖を凍らせたせいで若干寒い。早くケリをつけたいものだが……。
そう思っていると、スライムが突然ゴボゴボと沸き立ちだした。
「ヘイン!」
「ああ、いつでも撃てる」
念の為麻痺魔法をいつでも発動できるようにして様子を伺っていると、沸き立ったそれは徐々に人型を取り、聞いていたような姿になった。
……御丁寧にそこまで再現しなくても。直視していいのか少し悩む姿だ。
「へ、ヘインは見ちゃダメ!」
「んな無茶な!」
まだ目を閉じているそれを、一部は見ないように極力気を付けつつ観察する。
見た目は確かに女性のようだ。背はカレンと同じぐらいか。流石にゲル状では形成が難しいのか、髪の毛はかなり簡略化されている。
しかし半透明とはいうものの透けているのは僅かで、向こう側が見えるなんてことはない。
また、人間で言う骨や内臓のような器官が見えているわけでもない。スライムの核であるとされるコアと呼ばれる宝石状の器官も視認できない。まあそんなんが外から見えたら簡単にやられるしな。だからこいつはそこまで透明じゃないんだろう。
「……まじまじと見て、ヘインのエッチ」
「いや、そこは見てないから……コア探してるだけだって」
「ふーん?」
リゼは俺の事をどすけべ大魔人とでも思っているのか?
そうこうしているうちにそれが目を開け、此方を見る。
それと同時に、こう叫んだ。
「こ、殺さないでください!」
……殺しません。
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