第41話
「で、どうするか」
浮かんできたのはいいが、これから何するか全然考えてなかった。
生け捕りと言っても、手っ取り早く凍らせてしまったら最悪殺してしまう。が、例えば箱のようなものに入れても、隙間から逃げられたり下手したら魔法で箱を破壊されてしまう可能性もある。
「とりあえず、話してみない?」
「え?」
「人型になれるし言葉も通じるんでしょ?じゃあ説得した方がいいんじゃないかな」
「でも、相手は魔物だぞ?危なくないか?」
「そうかもしれないけど、逆らう気が起きないほど強烈な魔法を見せれば大人しくなるんじゃないかな」
「うわぁ」
……無邪気な顔で恐ろしいことを言い出すリゼ。
たまにこういう事を悪びれもせずに言うからたまにリゼの事を恐ろしいと感じるんだよな。
「え、私何か変なこと言った……?」
「うん。思いっきり」
「そっかー……。まぁいいや、じゃあ取り敢えず近づいてみようよ」
そう言うと同時に湖が浮いてきたスライムの周囲以外全て凍った。
これだけ大規模な魔法を詠唱もなしに発動するのはもはや人間技ではないのだが、リゼはその自覚があるのだろうか。
詠唱は基本的に発動する魔法に必要な魔力を消費する時間中発動イメージを崩さない為に行うものだ。大規模な魔法ほど術式も複雑で魔力量も消費する為、高度で長い詠唱を要するが別に必要な魔力を一瞬で消費できるなら必要はない。
といっても一定時間ごとに消費できる魔力量にはある程度上限があり、大掛かりな魔法に必要な魔力を一瞬で消費出来るのは不可能に近い。
マジックキャンセラーはその途中で邪魔をするので魔法をキャンセルできるが、無詠唱の魔法をキャンセルする事は出来ない。キャンセルしようと思った時には既に指示が完遂して魔法が発動し終わっているからだ。
だからこそ、無詠唱で大規模な魔法を発動できるのは非常に有利なのだが、普通の人間には無理だ。
俺も無詠唱で魔法を発動できるが、それは魔力の消費量すらも例外指示で書き換えられるからだ。
そういった事もなしにポテンシャルのみで実現しているリゼは改めて規格外だと感じる。
……昔はまだ人間の域に居たのだが、いつの間にか人間を超越してしまっていた。
そんな畏怖にも近い感情など露知らずに氷の上を歩いていくリゼの背中を見て更になんとも言えない感情を抱いていると、目の前でリゼが滑って転んだ。
こう言うところは見た目相応のただの女の子なんだけどな。
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