第28話

 密談を終え、教員棟を出ると入口前にシロノアとイーシアが立っていた。

「お、お前ら、無事だったか……」

「心配したわよ!?」

「うん?どうかしたか?」

 俺たちの顔を見るなり、まるで幽霊でも見たような顔をした後、ほっと安堵したように見える。

「いやだってさ、入ったら二度と生きて出られないと専ら噂の教員棟に『白ネクタイと黒ネクタイのカップルが先生に連れこまれた』なんて話題になってるんだぜ?」

「黒と白で仲が良いのなんてリゼ達しか思い当たらないし、実際にリゼを探したら見つからないし、何かあったのかと」

「えぇ……そんなことになってたのか」

「とにかく、無事でよかった。あと、その……頑張れよ、これから」

「えっ?」

「いや、ほら……噂がね、尾ひれがついてて……これからしばらく誤解がすごいだろうけど、まぁ、人のうわさもなんとかっていうじゃない、き、気にしちゃだめよ!」

「えっえっ?」

 なんだろう。無性に嫌な予感がする。そう思っていると……。

「ヘインさーん!」

 カレンまでやってきた。遠くから走ってくる。

 こちらにたどり着くと、脚に手をつき、ぜぇぜぇと息を上げている。全力疾走してきたのだろう。

「へ、ヘインさん!リゼさん!その、お付き合いされてるって……本当ですか!?」

「はあっ!?」

「えぇっ!?」

 カレンの言葉に二人して驚く。いやいやいや、そんなことはない。

「「いやいやいや、そんなことはない」」

 声にも出た。

「本当ですか!?噂になっているみたいですけど……」

 失礼な言い方だがここにいるメンバー以外に知り合いの居ないカレンでさえ知っているということは、かなり広まってしまっているみたいだ。まいったな。頭痛くなってきた。

「頭痛くなってきた……」

 リゼもさっきから同じことばかり思っているようだ。気持ちはわかる。同じこと思ってるだけに。

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