第27話
「おい、大丈夫か?」
リゼの肩を叩くと、流石に気付いたのか顔を上げた。
それと同時に彼女の目から涙が一滴流れ落ち、制服を濡らす。
「ど、どうしたんだ?」
流石に心配になる。さっきの会話で何かあったんだろうか。
「う、ううん、なんでもない……大丈夫、ごめんね、心配かけて」
手で涙をぬぐうと、無理矢理作ったような笑顔をこちらに向ける。
「……リゼリアさん、もう一度お話ししますがあなたにはヘイン君と共に魔物を討伐していただきます。引き受けていただけますね?」
泣いている人間を相手に冷酷なセリフにも聞こえるが、それを言う先生の顔は申し訳なさそうな、何かを公開しているような表情だった。
「はい、了解いたしました」
「では、詳細は後日お伝えしますが、ヘイン君の方が私とコンタクトを取りやすいので、リゼリアさんにはヘイン君の方から伝えてください」
「わかりました」
「それと、くれぐれも今後は転移魔法を使わないように。今回の件は、新魔法の実験による事故という事で処理します。危険なので術式やどのような魔法を試そうとしたのかは公示できない、と学生には説明しましょう」
「……それ、ただの事実の列挙じゃないですか?」
「ええ。ですから、本当に危ないのでもう使わないでくださいね?」
「俺もそう思います」
「はい、今後は使いません」
「よろしい。さて、戻りましょうか」
先生が再び魔法石を扱い、元の廊下へと戻ってくる。
「もう自由にしていいですよ」
「すみません、ご迷惑をおかけいたしました」
「いえ、勉強熱心なのは良いことです。今回はたまたま思いついた魔法がダメだっただけで、今後も貴女には期待していますよ。勿論、ヘイン君にも」
「ありがとうございます、これからも気を付けつつ精進いたします」
「では、失礼します」
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