第60話 自ら挑戦1
俺は自分で自分の迷宮を攻略してみることにした!
「まずは全ての装備を外してと……」
布の服と、200万アルス相当の武器を購入する。
「やっぱこれだな!」
少し考えた後に、結局、鉄の盾を二刀流にする。
「よし、じゃあいくぞー!」
俺は鉄の盾をガンガン打ち鳴らすと、看板のあるところから迷宮に向かって突っ込んでいった。
――ヒュンヒュン!
――ウィンドカッター!
矢とウィンドカッターが飛んでくる。
それらを鉄の盾でさばきつつ、入口に突入!
――ジュワ!
天井から降ってくる溶けた鉄を盾で防ぎながらジャンプ!
落とし穴を飛び越える。
だが――!
――ズボッ!
「うわっ!?」
落とし穴の先に、さらに落とし穴が掘ってあった!
「うおおおお!?」
俺は咄嗟に盾を尻に敷いて、トゲトゲにぶっ刺されるのを回避する。
「あ、あぶねえ……」
そして盾を使って、這うようにして穴から脱出する。
すると――。
「おまちしておりましたわ!」
「オトハさま!」
なんと、ヘビプレハンマー装備のペマとオルマが現れた!
「今の私達の筋力は!」
「オール50超えでございますわ!」
「えーっ!?」
いつの間にそんなに鍛えた!
もう侍女とかいうレベルじゃない……。
「どこからでも!」
「かかってきなさいませえー!」
「よ、よおーし!」
お言葉に甘えて、俺は盾で殴りかかった。
ちょっと手加減して……。
――ガコーン!
――ドゴーン!
「「ほっほっほっほ!」」
「なにー!?」
だが2人は俺の攻撃を、ハンマーの柄で軽々と防いでしまった!
「本気でこないのでしたら!」
「こっちから行くまでですわ!」
そして2人は、ハンマーで殴りかかってきた!
――ゴーン!
――ドーン!
「ぐわー!?」
【ペマから15のダメージを受けた】
【オルマから15のダメージを受けた】
「結構きくー!?」
これは、手加減なんかしてられない!
本番だと思って、ひとつ思いっきりぶちかまそう。
「うおおおおー!」
そして俺は、腕力255をフルに使って2人を攻撃した!
――ドッギャーン!
「うひゃあ!?」
――ズッギューン!
「あらー!」
ヘビプレ装備の2人でも、流石に吹っ飛んだ!
「やはり敵いませんわ!」
「ここは一時撤退ですわ!」
2人が後退したところで隔壁が下ろされる。
厚さ3センチくらいある鋼鉄製の隔壁で、これを下ろされてしまうとまず先には進めない。
――シュー!
「むむっ!?」
そこへ、何かガスのようなものが吹き込まれてきた。
「いかん!」
咄嗟に後退しようとするものの、その前に後ろの隔壁が落とされてしまった!
「やばい!?」
俺は壁際に体を寄せ、亀のようにうずくまる。
すると――。
――ドーン!
「!!??」
密閉された空間でガスが爆発し、凄まじい衝撃が全身を襲った。
「ぐえー!?」
【トラップ! 56のダメージを受けた】
ちょっとした爆裂魔法並みの威力があった。
セルフヒールで体力を回復させていると、にわかに隔壁が開いた。
「ふう……」
その間に、ペマとオルマは奥へと下がったようだ。
ここから先は、覗き穴からチクチクされるフロアとなる。
「ぬおおおー!」
俺は鉄の盾をガンガンと打ち鳴らすと、気合を入れて飛び込んでいった。
――シャキーン!
――ニョローン!
――シュババ!
通路の両脇に空けられた覗き穴から、槍やらヘビやら矢やらが放たれる。
――カキーン!
――グサッ!
――ニョロニョロー!
ヘビはただビックリするだけだが、槍と矢はちゃんと防御しないとかなり痛い!
そしてかなり進んだところで……。
――ポイッ!
「!?」
導火線に火の付いた爆弾が放り込まれてきた!
「うわわっ!」
俺は速やかにバックステップを踏んで、盾を構えるが。
――ポイッ!
「げえー!?」
俺の背後に追加の爆弾が!
せっかく盾を二刀流しているので、俺は前後に盾を向けるが……。
――ポイッ!
「むがっ!?」
なんと! 俺の股の下にまで爆弾が投げ込まれていた!
三段構えか!?
「ひいっ!?」
――ドーン!
――ドーン!
――ドガーン!
「ひいいいいーー!?」
【トラップ! 49のダメージを受けた!】
【トラップ! 49のダメージを受けた!】
【痛恨のトラップ! 154のダメージを受けた!】
「ぐおー!?」
爆発の威力で、坑道の中でもみくちゃにされてしまう。
いくらHPが455もあるとはいえ、これはきつい!
「セルフヒール!」
どうやらここは、爆弾ごときを恐れずに突き進むのが吉のようだな!
「うおおおおー!」
よし! 縦坑への出口が見えてきた!
――ズボッ!
「ぬあっ!?」
ここに来てまた落とし穴!?
油断した!
「ちいっ!」
だが、下にトゲトゲがあるのはわかっている!
俺は咄嗟に盾を尻に敷くが――。
「あれ!?」
底には何もない!
本当にただの穴だ!
――ガラガラガラ!
「!?」
なんと上からキター!?
天井から大量の岩石が落っこちてきた!
「グワー!?」
――ズガガガガガ!!
【トラップ! 7のダメージを受けた】
【トラップ! 8のダメージを受けた】
【トラップ! 8のダメージを受けた】
【トラップ! 6のダメージを受けた】
【トラップ! 10のダメージを受けた】
【トラップ! 7のダメージを受けた】
【トラップ! 7のダメージを受けた】
【トラップ! 6のダメージを受けた】
【トラップ! 14のダメージを受けた】
【トラップ! 6のダメージを受けた】
【トラップ! 20のダメージを受けた】
「ヒイイイイー!?」
誰だこんな迷宮つくったのは!?
俺だよ!
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