二十六話『排除』

 見受けられるは鉄屑だらけ。

 確かに、純人間が職を失う訳だ。


 帝国は狂っている。

 機械兵オートマタという殺戮兵器を以て、人を殺す。


 その赤色の瞳孔に私達が捉えられた。

 しかし、それで殺せると思うか?


 ──────愚問である。


 鉄屑共の壊し方は心得ている。

 周りを囲む兵の数は十二体。


 六体はアカネが殺るとして、私も六体。

 何、簡単な事だ。


 照準を覗いて、装甲の薄い所に弾を撃って怯ませる。

 後に眼に銃口を突っ込んで失明させて、そのまま無力化。


 手榴弾があったから投げて、粉砕。

 ……この一環の行動を繰り返すだけで、殺せる。


 全て。

 駆け付けた殆どの兵を倒し切った時に。


 アカネは、小さく息を吐いてこう告げた。


「近くに非常脱出口があります。いきましょう」

「了解。援護に回ります」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る