宇宙鉄道は幻ではありません。
翌日、一人の教員さんが代表として、文書を持ってきました。
……大司教区政府は協力を望み、できれば協定文書に女神さま直々の署名を頂きたい。
署名頂ければ、先日のご要望に誠意をもって履行させていただく……
あっさりと美子さん、署名しました。
それを確認した教員代表さん。
「女神様、この学園の生徒は現在一年生だけ、政府としては、この際各学年も少ないながら募集されてはと考えます」
「早くそして多く、寵妃を出したいわけですね」と美子さん。
「お言葉の通りです」と教員代表さん。
「稲田さんと、細かいことは相談して決めてください」と美子さん。
「分かりました」教員代表さん。
特別に編入生という事で、六月に各学年の編入面接をすることになったそうです。
また東京聖女女学校は、他の聖女女学校のパイロットプランとして、位置づけされました。
また出向した教職員の、元々の給料は運営費として女学校へ支払われることになりました。
「二重受け取りなんて許さないわ」
真白さん、なかなかのようです。
美子さんが、
「そろそろゴールデンウィーク、私も姉も妹と過ごす約束になっています」
「ゴールデンウィークが終わったら、一度、教職員及び在学生を蓬莱ステーションに招待いたしましょう」
「さらに卒業時、少なくとも最上級生の幾人かは、宇宙鉄道で私たちの中心地、ニライカナイまで招待することを約束いたしましょう」
その後、あっという間に東京聖女女学校は成立、開学したのです。
美子さんは約束通り、教職員及び在学生を蓬莱ステーションに連れて行きました。
静香さんと、今では聖女女学校の校長にもなった真白さんも一緒です。
真白さんが、
「西田真理亜さん、益子和子さん、どうですか?」
「すごい!すごい!」と二人。
目をキラキラさせながらの返事です。
真白さんが、
「この宇宙鉄道はね、無数の星々をつなぎ、幾つもの宇宙を渡っているのよ」
「貴女たちが女神様にお仕えして、ご寵愛を頂き、そして能力を認められれば、この星々の一つを指導する立場に立つのよ、つまり執政官になるわけよ」
「稲田先生はなったの?」と二人。
「まだよ、でもいつかはなるつもり、その時はあなた達、手伝ってくれる?」と真白さん。
「はい」と、元気よく答える二人でした。
真白さんが、
「女神さまって誰だかわかるでしょう、でもお名前は口に出してはいけませんよ、少なくとも卒業するまではね」
「はい」と、二人は再び元気よく返事してくれました。
そして、
「銀河鉄道って、お話の中だけではなかったのね」
などと、可愛らしい感想を述べていました。
静香さんが皆に囲まれながら、蓬莱ステーションを案内しています。
美子さんと茜さんが、教職員を案内しています。
教職員さんはかなりお綺麗で、なんせ美子さんに恥ずかしい事をさせられたわけで、ご多分にもれず、そのあとはラブラブ光線満開、露骨な秋波など、当たり前の状況です。
六月を過ぎた頃、茜さんが『六十人強制全裸事件』なんて銘打って、面白おかしく吹聴したものですから、ついにサリーさんの耳にはいり、えらい目にあっていた美子さんでした。
美子さんが、
「姉さん!あることないこと!」
「サリーさんに散々絞られて、そのあとクリームヒルトにも、散々嫌みを云われたじゃないですか!」
「どうしてくれるのですか!明日、また百合の会議なのですよ!」
茜さんが、
「だってね、こんな面白い事、だまってられないのよ、ごめん遊ばせ、明日はがんばってね!」
「この卑怯者!」と美子さん。
美子さん、かなり可哀想な事になったのは事実でしたね。
でも一言いえば、打たれ強くなった美子さんのようです。
FIN
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