あの日あの時あの競馬場(6万文字突破記念)
小さな頃の話。私は家族で競馬場に行ったことがある。競馬場といえば、普通は大人のカネが飛び交う賭場のようなものだが、あの競馬場は違った。何せ、前と奥には立派な(海賊船型の)アスレチックがあったのだ。黄色いスプリング木馬もあったが、それより船の中で遊ぶ方が私としては楽しかった。ついでに小高い丘にはアンパンマンの石像(恐らく大理石製)があったし、子どもに優しい競馬場というイメージが自然と染み付いていた。だから、馬が走るところは興味がなかったし賭けにも興味はないので、アスレチックだけが目当てだった(乗馬体験は興味があったし、実際に乗った)。
アスレチックの向こう、地下道を抜けた先には小さなバラ園があった(その前にもフワフワやらまた別の遊具があったが)。ツルがフェンスに絡みつき、触ったら痛そうな棘の中心に赤やらピンクのバラが咲き、芝生には一つだけ小さなきのこが生えていたことをよく覚えている(ミニトレインの終点だったような……)。沢山駆け回っていたあの頃は楽しかった。
大きくなってから暫くしても、私の中の競馬場のイメージは全く変わらず。競馬場は遊びに行くところだと認識していたのだ。だから、遊具の類が全くない競馬場があるとは思ってすらいなかった(ちなみにクレーンゲームやら音ゲーに興味はあっても、賭けには殆ど興味を持てないし、何が楽しいのか分からない)。何より、動き回るのが大好きな私にとって(そのせいで待つのが苦手)、競馬場は「バカでかい公園」でしかなかったのだ。ついでに、私は恵まれているという自覚もなかった。もっといいところに連れて行ってくれていいじゃない、とも密かに思っていたから。でも、今は分かる。好きに(何も考えずに)動き回れるのはとても幸せなことなのだ、と。
競馬場のことを思い出した理由は単純で、おそ松さんの競馬動画(アニメ)を見ていたことである。ただ、私の目当てはキャラクターでも競馬でもなく、キャラクター達の声だったのだけど(イケボが手軽に聴けるなら何でも良かったのだ)。最近は全く競馬場に行ってないので様子は全く分からないのだが、ネットを漁っていると人気アニメと競馬場がコラボしているというケースを時折見かける(限定グッズも売っているようだ)。意外だな、と思いつつ何があったんだろうとも考えてしまう。
今でも、競馬場のイメージは全く変わっていない。子どもの遊び場であり、街の人たちにとっては憩いの場なのだと私はそう思っている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます