ヒト=キメラ(メガテンと私)

(あんまり我慢出来なくなったので、書くことにしました。ご了承ください)


 覚えているのは五歳から。ポケモンやらお茶犬やらといったかわいいもの好きだった私の世界に、ある日突然それは入り込んできた。ロックなBGMに、どこかスタイリッシュな異形の者たち。その時は全く理解出来なかったので、それ以上は触れなかったが十年後くらいにまた足を踏み入れることとなる。

 私は怖いもの見たさでメガテンを検索したが、そこで分かったのはあくまで怖いのはモンスターだけ。人間のデザインは怖くなかったのだ(一部例外)。しかし、これもまだ序の口で本当の恐ろしさは高校に入ってから味わうこととなる。

 人生で初めてメガテンをプレイしたのは高校の時。初めてプレイした時は悪魔が自分の仲間になることを嬉しく思ったものだ。自分が好きなようにパーティを作れるのだから。私はかっこいい悪魔が好きだから、かっこいい悪魔でパーティをいっぱいにしていた。けれど、この時はまだ真の恐怖に気づいてはいなかった。

 その恐怖は中盤に差し掛かった頃にやってきて、どうも人体実験をしているようだった。あまりに凄惨だったのでとてもとても許せないという気持ちが優ったが、このことを母に聞いたら「ああいうのは人間が生きるためには仕方のないことなのよ」と諭された覚えがある。考えてみたら確かにそうだ、と思いそれからは冗談抜きでメガテンを楽しめるようになった。

 こうした出来事があった一方、私はメガテンのおかげで悪魔の由来を知ることができた。というのも、悪魔の一人ひとりに解説が付いているのだ。そういう意味ではプラスになったと思っている。

 通常の価値観が一気にひっくり返り、白を黒と言い張れる。いや、それすらガワをなぞっているに過ぎず、ヒトという生き物は複雑でまるでキメラのようだということを教えてくれたのはメガテンだけ。天使は悪魔になり、それどころか悪魔こそが天使であるかのようなあの感覚はもう、ハマったら一生出られない底無し沼のようでさえある。その感覚は心地よいものでありながら、背徳感を内包していた。

 このことを知り合いに話したところ(小さい頃にメガテンを知ったくだりのみだが)、「英才教育だね」とのことだった。「どこが?」とも思ったが、普通の子はメガテンを知らないことを考えると筋が通っているな、と感じた。それこそ普通なら、メガテンの思想に触れずに生きていくことも可能だから。けれど、触れてしまった以上はメガテン的な見方をしながら生きていくしかないと、私は考えている。もっとも、知った方がいいこともあるのだが、どれだけの人が知っているだろうか。

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