???
枝から枝へと飛び移り、跳ねるように走った。
ただひたすら、目的地に向かうために。
いつもと雰囲気が違う。変わらない景色のはずなのに
自分の知っている森の空気や雰囲気ではない。
いつも走っているこの道が、森が、
知らないどこかに繋がっているようで
気持ちばかりが焦ってしまう。
望んだ未来は不変的な幸せだった……はずなのに
約束と違う!!
この街を
この森を
守れるはずではなかったのか!?
霧のカーテンに覆われた森の奥にそれはあった。
多くの木々を従えるように
そびえたつ『木』
貫禄すら感じる『木』からウルドの森は始まった。
ウルドで最も古い『木』に語りかける
「何故、我が願いを聞き届けんのだ!?」
『木』は伝える。
『何を言う? 願い通りではないか。』
「全く違う! こんなことを望んでおらぬ!」
『これは異なことを言う。望んでおったではないか。』
『木』は笑う。葉が風にあおられるようにざわざわと。
「私が望んだのは以前と同じ精霊が集う森だ! 凶暴な魔物が現れる森ではない!」
『凶暴? どこが凶暴なものか。あれこそ魔物よ。』
「……何を言っている? あれのどこが魔物と言うのか。」
『魔物とは私にとって使い勝手のいいコマではないか』
「……使い勝手のいいコマだと?」
『あぁ。この森に栄養を運びこみ、廃棄物によってこの森を豊かにする。魔物とはそういった生き物であろう?』
「……その魔物が凶暴になり、栄養を運び込まなくなっているんじゃないか?」
『ならば連れてくればいいだけではないか。街のものを。』
「街と共存し、精霊とともに過ごす森こそ、私が願う森だ! 街の者を襲うとでも言うのか、貴様は?」
『森は全てを包む。魔物であろうが人であろうが。そこに違いはない。』
「もとから……我が望みを叶える気はなかったんだな。」
片膝をつき、せき込む。息が上がり、胸で大きく呼吸をする。身体が痺れて思ったように身体が動かせない。眉間にシワを寄せている。
『甘い夢に縋った者よ。森とつながる喜びを抱け。』
唇をかみしめる。視界が塞がれる前に見えたのは、禍々しい緑をした葉っぱだった。
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