第24話 HappyNewYear!!!
あのさ、なんでコタツに入ってんのに隣にいんの
普通向かいとかに座んない?
俺の問いかけに
「なんでそんな冷たいこと言うのさー、ひっついてたらもっと暖かいよ?」
こたつの中に入れてる右手に指を絡めて手を繋ぎながらサヤが答える
「あ、ハル顔赤くなってんじゃんー」
この部屋が暑いからだろ
俺の照れにすかさず茶化してくる
何故か付き合いは長いのに照れてしまう
「もう後5時間で年明けちゃうね」
そうだな、もう今年も終わるのか
「ハルはさ今年やり残した事とかないの?」
サヤにそう言われ少し考える
んー特にないかな
俺がそう言い終わらないうちに
「ぁぁぁぁ!」
隣にいたサヤが叫ぶ
なになに、どしたの
「花火!花火するの忘れた」
花火?今冬だけど
「私毎年、年越しに友達と花火してたんだ、ハル公園行こ」
え?今から?
サヤはコタツから出てコートを着て、隣の部屋に花火を取りに行った
「うん。今年はハルとしたい」
しゃーねぇーな
照れ隠しで下を向きながら俺も立ち上がる
公園に着き、バケツに水を張り始める
ファミリーセットみたいな物をサヤが買っていたので色んな種類の花火があった
一通りしてあとは線香花火だけになった
「ねぇ、先に消えた方は残ってた方の言うこと聞くことにしようよ」
俺に線香花火を渡しながらサヤが言う
あぁ、わかった
2人で一緒に火をつける
二人共パチパチ光る花火を見つめる
「ハルはさ、私のどこが好き?」
花火を見つめたまま、俺に聞く
え、急に言われても
急すぎてそう答えてしまった
そう返すとサヤは少し黙り
「サヤはね、何事にも必死で本気で、思いやりがあって馬鹿なキミが好きだよ?」
相変わらず花火を見つめたままのサヤにそう言われた
少し頭がぼーっとした
顔だけが熱くなる
シュッ、ボン
俺の線香花火が消えた
こんなに線香花火って長かったっけ
そう感じた
「やったー、サヤの勝ちー」
俺は花火をバケツに入れ、サヤを見る
まだ微かに光る線香花火を見ていた
「あっ」
その声と同時に花火が消えた
消えちゃったな、帰るか
「まだ言うこと聞いてもらってないよー」
あ、忘れてた。ではどうぞ
俺がそう言うと
「じゃあー、帰り道おんぶしてー」
なんだ、俺はもっとぶっ飛んだことを言われるのかと思った。
少し安心した
俺がしゃがみ、背中にサヤが乗る
相変わらず軽い
いいか?上げるぞ
「うんいいよーあげてー」
立ち上がり歩き出す
「うわー、ハルの視線ってこんなに高いんだ」
後ろからサヤが言う
それはサヤがチビだから余計そう思うだけだろ
「あー言ったなー、ハルがデカすぎるだけなんだよー。」
そう言いながら足をバタつかせる。
「ねぇさっきの答えまだ聞いてないけど…」
耳元でサヤがそう言う
言わなくてもいいは無しですか?
前を向きながらそう返す
「無しです、サヤは言ったもん!」
そっか、俺は……
いつも隣で子供みたいに笑うサヤが好き
「なにそれー、ずるい。サヤだけ子供みたいじゃん」
また足をバタつかせながら言う
マンションのエントランスでサヤを降ろし、オートロックを開け、エレベーターに乗り部屋へ向かう。
サヤが部屋の扉を開け、靴を脱ぐ
俺も脱ぎ扉が閉まるのを待たずに
サヤを壁に押し付ける
「ちょ、ハル…」
少しを上を見るようにして俺を見る
サヤ、好きだ。
両手を繋ぎサヤにキスをする
サヤの声が時々漏れる
俺が離れると
「知ってるよそんなのサヤもだもん」
今度はサヤからキスをしてきた
遠くで除夜の鐘が鳴る
暗く少し寒い玄関
サヤが俺から離れて言う
「あけましておめでとう!これからもずっとよろしく!」
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