第23話 MerryX'mas & Happybirthday!!!
誰だろ
ハルキくんが立ち上がりドアに向かっていった
ガチャ、ドアが開く音がした
「え………だれ?」
ハルキくんが僕と姉貴を見てそういった
え、この人彼女の顔覚えてないの?
サンタ帽かぶって髭つけてるけどさ、だいたい分かるでしょ!
あ、通りすがりのサンタです
姉貴がそう返す
君がハルキくんだね、これあげます!
姉貴が少し強引に土のう袋をハルキくんに押し付けた
「え、あ、ありがとうございます。寒いんで中入りますか?」
いや、え?まだ気づいてないの?
僕は混乱した
あ、いや、まだ配達あるんで
姉貴がそう言いながら後ろを振り向いた時、ハルキくんが姉貴に抱きついた
「サヤ、おかえり」
僕は少し安心した
姉貴は顔を真っ赤にしながら
だ、誰ですかサヤって
こ、こんなことされたら困ります
そう言いながら振りほどいた
「サヤは俺だけのサンタだよ、いつもいろんなものを俺にくれる、形のあるものだけじゃなくて、俺だけじゃきっと気づけなかったことや、サヤとじゃなきゃ感じれなかった気持ち。そんな大事な人の事間違うわけない」
ハルキくんが背を向けたままの姉貴に向かって言った
僕は気づくと泣いていた
姉貴も泣いていた
姉貴はハルキくんに背を向けたままヒゲを外して、振り返り飛びついた
メリークリスマス!ハッピーバースデー!ハルー!
ハルキくんも飛び込んできた姉貴を抱きしめた
「はい、仲直りね、みんな、中入ろ?」
ドアの後ろから織田さんが顔を覗かせ、そう言った
中に入り、テーブルを囲み、みんなが座る
カズマがハルに挨拶する
「ホントだ、イケメンだね」
織田さんを見ながらハルがそう言う
そういやさ、ハル、プレゼント開けてよ
「あー、そうだった」
ハルが土のう袋から箱を取り出す
包装紙を、開き、化粧箱が見えた
「え、これ」
ハルがそのまま、化粧箱を開ける
「△△の時計じゃん!このモデル俺が前欲しいって言ってたヤツ」
私は笑顔のハルを見ながら自分の左腕を見せた
「え、サヤとお揃い?ん!?その文字盤の字、ハ、ル、キ、…ってことは俺のは?」
ハルが時計の文字盤のブランドロゴの下の文字を見る
「サ、ヤ、これ、オーダーメイド!?めっちゃ高いんじゃないの!?」
そんなの気にしない
私はさっきハルの言ったセリフと一緒でいつもハルにたくさんのものをもらってる
だからそのお返し、これでもまだ足りないよ
私が言い終わるとハルの目から涙がこぼれた
ハルが泣いてる…?
珍しい、滅多に泣かないのに
私は立ち上がり、ハルの涙を拭きにいった
「姉貴まだ渡すもんあるんじゃないの?」
ティッシュを取ってくれた、カズマにそう言われた
あぁ、そうだった
小袋を、ハルに差し出す
これはさ、記念日のプレゼント、さっきの時計に比べればインパクトないけど
ハルは受け取り、開けて、ものを出した
「ミサンガ…」
「ありがとう、今、頭回ってないからうまく言えないけど許して」
笑いながらハルがそう言った
「じゃあ、カズマ君、僕らはここらで帰ろうか」
織田さんが立ち上がり、カズマ君に声をかける
「ですね、姉貴じゃあまたね」
カズマ君も立ち上がり、サヤに声をかける
2人で玄関まで見送る
織田さん、カズマ君、ありがとう、そして心配かけてごめんね
「仲良くしてね」
2人にそう言われた
2人が扉を開け、冷たい空気が入り、扉が閉まる
お腹に強い感触がした後、壁に押し付けられた
サヤが背伸びしてキスをしてきた
俺はサヤの足を抱え、抱き上げた
我慢してたんだ、2人が居たから
俺は離れたサヤにそう言った
「バカ、バーカ」
そう言いながらもう一度キスをされた
窓から差し込む月光が2人の涙を照らす
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