概要
そしてマロニーに全く似ていないはずなのに、そのマロニーに成りすませていた兄の姿。
その兄は憎悪もあらわに、彼に──ミトラの胸に呼び出した魔剣を突き立てた。
“主人公属性”なるチートを持つ転生者、ミトラに。
「敵は“転生チート主人公”」
だがこれは、その兄の話。兄の視点で語られる物語。
気まぐれに兄を陥れる“主人公”な弟に抗う話。
*****
家族の絆? 兄弟愛?
そんなの知るかクソ喰らえ。
ムカつく事はムカつくんだよ!
それが例え血を分けた弟であってもだ!!
そんな俺が弟を手にかけた、クソみたいな話を聞きたいか?
俺が手に入れた仲間を、大事な恋人を、様々な努力を、弟に壊され奪われ続けた俺の、クソったれな人生の話を。
弟を殺す事を
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!視点が変われば世界は変わる。二人がこうなってしまった経緯とは?
【物語の始まりは】
兄が弟を殺害する場面から始まっていく。二人の間に何があったのか? 戦闘シーンの後、これまでの経緯について語られていく。
【どんな物語なのか?】
この物語では、”あえて”主人公不確定と感じるように書かれているという印象。それは正義の概念に似ている。戦争などではA国の立場の正義とB国の立場での正義は違う。自分は間違っていないと思って戦っているはずである。一人一人がどう思うかは別として、国なり個人なりの大義名分があって戦っている。この物語は、兄から見た時、弟から見た時、どちらの立場から見るかで感じ方の違う物語であり、どちらが正義なのかは読み進め、真実が明かされるまでは分からな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!論理武装不要の正統派
まず惹かれたのは、復讐を主題とした物語の多くが理屈、理論を解き、主人公の復讐を「当然のこと」あるいは「仕方のないこと」にしてしまいがちな中、本作はそういった論理武装が排除された物語である事でした。
家族の情、絆をそんなものは知らんとばかりに突っ走る主役、突っ走らせる仇役、それだけでなく登場人物の多くがある種、自分勝手に生きています。
その生き方が、これでもかと生の感情を発露させており、これにはどんな理屈、理論を並べても女々しい言い訳にならざるを得ないと感じさせられます。
さりとて難しい、また暗い話の連続かといえばそうではなく、所々、明るい、または馬鹿馬鹿しいと感じる日常があり、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!過激な描写から幕を開けるダークファンタジー
物語の始まりが凄い。
小説で大事な要素とは早い段階でいかに興味を持ってもらえるか、と自分は考えているのだが、そういう点でこの小説は一文目で私の興味をさらっていった。
登場人物の心理描写が事細かに描かれている。感情移入がしやすい一方、誰に自分を重ねれば良いのか迷ってしまう。選択肢は二人……兄か弟か。それは読む人の自由なのかもしれない。
話の展開が奇抜、でも読みにくいわけではない。時間の流れに沿って物語が進行していく、というのが王道の書き方だと思うが、この小説は違う。ある程度横線を描いたら、また違う方向から線を引いていく。その線が上手い具合に絡み合っていくので、こんな小説の書き方も…続きを読む