第18話 八

 その後試合は一進一退の攻防を続けた。俺の先輩キャッチャーが5回に2ランを放ち2ー1で逆転。その後俺は何とか1点も与えずそのまま9回に入る。

 「お前ら、あと3アウトで目標の甲子園だ!

 みんな、しっかり守るぞ!」

監督の先生がそう俺たちに声をかける。

 そして、その9回も俺はマウンドに登った。


 相手は7番バッター、下位打線からの攻撃だ。ここで俺はストレートを投げる、が―。

 それをライト前へ運ばれノーアウト一塁。

 その後の8番バッターは送りバントを決め1アウト2塁。その後9番は三振にしとめ、2アウト2塁。

 あと1アウトという所までいったものの、依然として2塁に同点のランナーを背負う苦しい展開だ。

 しかも、次のバッターは―。

 「1番、ライト、横山君。」

 ―由香のお兄さんではないか。

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