特別章2-5 人見知りな私と解決編には至らない
「
ドヤッ、と饒舌にしゃべり終え、腕を組んだまま私たちを見る
そんな
「まぁ、考えられなくはないけど、ほとんど華恋の思い付きのような気がするんだけど」
「なによ、あたしの名推理に文句があるっていうの? これだから素人は……」
やれやれ、と首を振る
完全に
一方、これ以上は言っても無駄と判断したのか、
「ねえ、
う~ん、どうでしょう。
確かに、
ずっと眺めていたわけですから、当時の私としては高いなぁ~とは思っていたんでしょうけど、多分、そんな一攫千金を狙えるような値段ではなかったことは確かです。
『いや、ありうるね。なんたってオレ様は孤高の一匹狼。オレ様の命が欲しい奴なんざぁごまんといるからよ』
というのが、ブルースの意見みたいです。
つまり、ブルース自身も全然分かっていないということですね。
そういえば、最近はフリマアプリでカメラにかざすだけで大まかな値段が分かるといったサービスがあったような気がします。
ちょっと試してみましょうか?
『てめえ! オレ様を売る気か!! ふざけんじゃねえぞ!!』
やる前から怒られてしまいました。
でも、まだ私が何も言ってないのに、ブルースがいきなり大声を上げたのでみんなをびっくりさせてしまいました。
いけませんよ、ブルース。
今は大人しく捜査に協力してください。
「でも、
「まぁ、そうなるわね」
「それって、結構危なくないかな? 昨日は逃げちゃったのかもしれないけど、
確かに、
ブルース、大ピンチです。
「う~ん、そうだね。もしそんなことがあったら、
すると、生徒会長さんがそんな提案をしました。
しかも、ブルースだけでなく私の心配までしてくれている内容です。
「そうですね。そっちのほうが僕も安心しますし」
そう言いながら、
「 !」
「えっと、
私が思わずブルースで顔を隠してしまったので、不審に思ってしまったのか、
『心配すんな、兄弟。こいつの奇行なんて今に始まったことじゃねえだろ?』
「は、はぁ……」
どうしてでしょう?
ほかの人に見られるのも、恥ずかしいですし、目線を逸らすことだってあります。
だけど、
って、今はそんなことを言っている場合ではありませんね。
私のせいで、みんなにも迷惑をかけてしまうかもしれないことをちゃんと謝らないと。
……でも、家まで
「もちろん、あたしも一緒に行くわよ! でも、その前に今日も寄っていかない? ってか、今すぐ行ったほうがいいかもね」
「ん? 寄ってくって、どこに?」
「『Woder Land』に決まってるでしょ!
どうやら、
というわけで、私たちはいつもより早めに部室を後にして、『Wonder Land』に向かうことになりました。
『結局、オレ様は査定されちまうのかよ……』
落ち込むブルースとは裏腹に「一体どれくらいの価値があるのかしら……」と何故かワクワクしている
言っておきますけど、ブルースにどんな値段がついても売りませんからね?
と、私が心の中で呟いている間に、商店街に到着しました。
結衣ちゃんがいる『Wonder Land』があるお店は、ここから少し路地を曲がった先にあります。
「 !」
ただ、私はそこで、また背中がぶるっとしました。
「
私の反応に最初に気付いたのは生徒会長さんでした。
「汐ちゃん……もしかして……また……」
そう尋ねる生徒会長さんに、私はコクン、と頷きます。
……やっぱり、私の勘違いではなかったのです。
「
生徒会長さんの言葉は、近くにいる
2人も同じく、真剣な表情へと変化していました。
私たちは、1歩1歩、何も知らない振りをして進みます。
でも、私が感じる気配は、一向に消えてくれそうにありません。
「……ねえ、みんな。私に考えがあるんだけど」
私たちは、生徒会長さんの話に耳を傾けます。
そして、生徒会長さんの話を聞いた
「……さすが
「……それ、僕としてはちょっと複雑なんだけど」
「じゃあ、次の路地で、やってみよう」
と、生徒会長さんが合図をして、私たちは路地を曲がります。
『Wonder Land』までは、もう目と鼻の先です。
しかし、私たちは動きません。
隠れるようにして、路地で待機しました。後ろからは、私たちがそのまま先に歩いていると思うでしょう。
そして、その場で待ち構えていた私たちの前に、人の影が現れたのです。
「……えっ!」
相手は20代後半くらいの、若い男の人でした。
パーカーにラフなズボンで、眼鏡が前髪にかかっているのが特徴的だと思いました。
「あの、少しお話を聞かせてもらえませんか?」
そして、その男の人に生徒会長さんが凛とした態度で接します。
「い、いえ……」
明らかに年下の相手だというのに、その男の人は動揺を隠しきれていない様子でした。
「し、失礼します!!」
そして、その男の人は回れ右をして、その場を立ち去ろうとしました。
「待ちなさーい!! 逃がさないわよ!!」
「うわっ!!」
なんと、男の人に向かって、
「さあ、観念しなさい! あんたが狙ってたのはブルースね! ブルースなんでしょ!」
「ちょ、
そして、ドロップキックだけではなく、拘束するためにヘッドロックをする
しかし、その間にも男の人は「ぐ、ぐるしっ……!」と華恋ちゃんの手をパンパンと叩いています。
それでも、
えっと、こんな感じで良かったのでしょうか?
「ちょっと、酔っ払うにはまだ時間が早いよ。それに、お店の前でうるさくするのは……」
すると、騒ぎが店の中まで聞こえたのか、『Wonder Land』から
「なんだ、きみたちだったんだ。っていうか、何してるの? みんなでプロレスごっこって歳じゃないでしょ?」
「あっ、えっと、ごめんなさい
「
と、
そして、いつもの余裕のある笑みを消し、乾いた声で呟いたのです。
「ツナ……?」
それを聞いた男の人は、返事をする前に意識を失いました。
……
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