特別章2-3 人見知りな私と友達
「へぇ~、まだ部室にあったんだ、この写真」
私が手渡した写真を眺めながら、懐かしむように
「あの、ってことはやっぱり、
興味津々といった感じで
「まぁ、そういうことになるね」
どうやら、私の勘違いではなく、写真に写っていたのは本当に
でも、そうなると腑に落ちないことがあります。
『おいおい、つーことはこいつが店に来た時から分かってたってことじゃねーか? なんで言ってくれなかったんだ?』
ブルースの言う通り、私が
それなのに、
「ん~、それはまぁ、気分ってやつかな。言う必要もないかなって」
うーん、私はいまいち納得ができません。
それに、
いや、考えている、というより「隠している」という感じでしょうか?
上手く言えないんですが、やっぱりわざと私には言わなかったように感じます。
別に、それでショックを受けるということもないんですが……。
「あーあ、だったらこの前の公演会も来てくれたら良かったのに……。
はい、ちゃんと伝えていました。
というか、公演が近い時期に
「んー、それもね。お店があるし行けなかったんだよ。ごめんね」
「でも、その日もお客さんは誰も来なかったけどね」
「えー、それじゃあ意味ないじゃないですかー」
「まぁ、あまり人が来ない場所だからね」
「あっ、だったら、あたしたちがこのお店を宣伝しますよ!」
光明を得たり! とばかりに華恋ちゃんが指をパチン、と鳴らしました。
「宣伝?」
「はい。ここのお店、パペット人形もいっぱいあるみたいですし、小道具で使えそうな物もたくさんあると思ってたんです。だから、それを借りて、ちゃんと最後はこの『Wonder Land』の宣伝をするって感じで! ね、いいでしょ、
なるほど、スポンサー契約というやつですね。
流石は
「こら、
「えー、いいじゃない。どうですか、
「まぁ、宣伝してくれるのはこっちも嬉しいし、構わないよ。その代わり、大切に扱ってあげてね」
早速、
正直、私としても非常に助かります。
部室にある備品だけでは、どうしても演出面の問題で出来る劇の数が限られてきますし、安全面で廃棄せざるを得ないものをいっぱいあります。
頼みの綱の生徒会からの部費も、お世辞にも高くはありませんからね。
「はい、もちろんです! 大事な商品ですもんね」
満面の笑みでそう告げる
「ううん、違うよ」
そして、
「私の友達、だからだよ」
その瞬間、私は咄嗟に、自分の右手を見てしまいました。
ブルースも、黙って私のことをじっと見つめてきます。
『友達が欲しかったら、これをやる』
ふいに、お爺さんの声が聞こえてきました。
あれは忘れもしません。
子供の頃の私に、お爺さんはブルースを渡してくれました。
友達が欲しかった私に、お爺さんは宝物をくれました。
そして、今でも大切な、私の友達です。
「……はい、もちろんです」
最初にそう答えたのは、
まっすぐで、曇りのない瞳で
「うん、きみたちなら、信用できそうだね」
そう言った
「さて、今日のおしゃべりはこれくらいにしようか。きみたちも、あまり遅くなるのはいけないでしょ?」
「あっ、ホントだ! もうこんな時間!」
私も、
私たちが来たのは6時くらいだったと思いますので、もう1時間ほど『Wonder Land』に滞在していたことになります。
私はもう慣れっこなのですが、このお店にいると、ついつい時間を忘れてしまうんです。
これも相対性理論というやつでしょうか?
よく分かりませんが、そういうことにしておきます。
「あっ、そうだ!
「ちょ、
そう言って、
「それじゃあ、私も店じまいしようかしら」
『なぁ、あんた……』
よいしょ、と立ち上がる
『オレ様たちの兄弟と嬢ちゃん、いい奴らだっただろ?』
すると、
「うん。いい子たちだね。良かったね、
なんだか子供っぽい扱いだなぁとは思いつつも、フワフワした気持ちになれるので悪い気はしません。
そういえば、
『おい、オレたちも帰るぞ。じゃあな』
「うん、また来てね」
そう手を振って、
店の外に出ると、少しだけ辺りは暗くなっていて、じんわりとした暑さが残っています。
そのときでした。
「 !?」
思わず、私は後ろを振り返ります。
だけど、そこに広がっているのは薄暗くなった路地だけです。
でも、確かに感じました。
いつも人から見られる私だからこそ、そういうことには敏感なんだと思います。
あの気配は間違いなく、誰かが私に視線を向けている気配でした。
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