第2話 キャッチャーはつらいよ
キャッチャーとはストレスのかかるポジションだ。負ければ監督、首脳陣、ファンから批判されるにも関わらず、勝つと投手に栄光は持っていかれる。
いつからか憶えていないが、ふと気がつくと、スマホのメモ帳に文章を残している。
これはストレスのはけ口として文章を書いているのかもしれない。世の中に公開する気はなく、自分の精神安定のために書いてる。
今日も投手陣が打ち込まれた。先発の今泉は制球に苦しんでいたので、思い通りのリードができなかった。
今シーズンのチームの主軸として活躍してもらわないと行けない選手だ。彼が自信を失うのはまずいと思ったので、ベンチにも悟られないように繕った。
イニングが終わり、ベンチに戻って座ろうとしたら、後に座っている監督に舌打ちされたな……
俺のせいではないんだけどな。見抜いてくれねえかな〜。節穴か!
監督批判になるから、公言はしないけど、原西監督からは嫌われている気がする。前監督は俺のことを信頼して任せてくれていたけど、今シーズンから就任した原西監督は信用してくれてないと思う。
FAで他球団からキャッチャーは補給するし、若手も積極的に起用しているから、今シーズンは昨年よりも出場機会が減ってしまった。
俺もFA権を取得してるんだけどな。今シーズンオフには身の振り方を真剣に考えるか。
なんてね。こんな真面目モードは俺には似合わないな。とりあえずは、明日の試合に向けて頑張ろう。
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