第65話 GoToキャンペーンは延期でしょ
政府は「GoTo(ゴートゥー)キャンペーン」のうち、「GoTo(ゴートゥー)トラベル」について7月22日からの実施を決めました。当初予定した8月上旬のスタートを約2週間も前倒し。夏休み前の4連休を当て込んだ観光対策ということです。4連休は、東京オリ・パラ開幕予定の7月24日を「スポーツの日」、本来20日だった「海の日」を23日に移動して“捻出”した今年限りの連休です。
「GoToトラベル」は、国内旅行を対象に原則、旅行代金の35%を値引き(またはキャッシュ・バック)、15%をクーポンなどで還元して飲食・土産代として消費の拡大を図るものです(15%のクーポンの実施は9月以降)。
なるほど、新型コロナ禍で“どん底”まで落ち込んだ観光関連業種の分かりやすい「景気回復対策」としては理解できます。が、これは“カンフル剤”としてリーマンショックなどの一過性の不況には効き目があっても、収束の目途が立たないコロナ禍で通用するかどうかは甚だ疑問じゃないでしょうか。所詮は霞が関の国土交通省の官僚が過去の景気浮揚対策の“前例”に倣っただけの「机上の空論」「絵に描いた餅」で、万が一裏目に出たら取り返しのつかない“火に油を注ぐ”結果を招くでしょう。
どういうことか、詳しく説明しましょう。
日本全国では、一部を除いて新型コロナウイルスの感染拡大は5月以降、抑えられているように見えます。それと対照的に、非常事態宣言解除後の東京都は徐々に感染拡大が確認され、数の上では7月上旬に“過去最高”を更新しました。じわじわと感染が忍び寄っている風にも映ります。
「GoToキャンペーン」は観光客を運びますが、新型コロナウイルスも運ぶんじゃないかと懸念しています。ウイルスが日々拡大局面にあるのが一地方都市なら、極端ではありますが2週間程度の“都市封鎖”など打つ手もあります。が、その危険地帯が政治・経済すべてが集中する首都・東京である以上、“都市封鎖”はできません。
日本全国の航路図、鉄道や道路の路線図をイメージして下さい。ほぼすべての路線が東京を中心に放射線状に伸びているでしょ。パニック映画なら、壁一面に広がる列島の地図パネルが大きなアラーム音を伴って真っ赤に染まる画が想像できます。つまり、新型コロナウイルスがウイルス感染が収束しつつある地方に放射線状に運ばれるリスクがこのキャンペーンに隠れている、と想像するのは当たり前じゃないですか。
ここ最近、都内の感染確認が200人を超え始めています。西村経済再生相と小池都知事は会合を重ね、何かと“一致” を強調しますが、先週末に菅官房長官が函館の講演会で、現在の状況を「東京問題」と述べるなど、政府と東京都が何と何で“一致”しているのか、さっぱり分かりません。互いに責任を押し付け合っているようにしか見えませんよね。
という理由で、当面は東京を含めた関東圏と、大阪を除いた道府県間に限定して試行してみるのが妥当と考えています。いいですか、これは観光業に携わっている方々だけの問題ではなく、日本全国にお住まいの全てのみなさんの大問題です。決して「未関心」ではいないで下さい。2ヵ月後、3ヵ月後にに後悔しても、後の祭りですよ。
P.S
キャンペーン開始の22日の前日になって、割引きになる宿泊施設が未定で、さらに個々の宿泊施設が国交省に届け出る7種類の申請書すら間に合っていないことが判明しました。一体、何のために23日からの4連休に合わせて前倒し実施を決めたのか。そして、誰が決めたのか。これまでの経緯を見れば、“お飾りだけの”赤羽国交大臣でないことだけは明らかです。意思決定と責任の所在を明らかにしてもらわなければなりません。
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