第63話 政府の“緊張感”は、“やってる感”

 突然、新型コロナ対策の一翼を担ってきた専門家会議の廃止を発表したと思ったら、「もう誰も緊急事態宣言、やりたくないですよ」「みんな休業やりたくないでしょ」。

 2日の西村康稔経済再生担当大臣の“”の会見に批判が集まりました。

「今は愚痴をこぼしている場合じゃありませんぜ、旦那。人の上に立つ者、ご自分の発言には是非、口癖の“緊張感”を持ってもらわないと。もらってるもの、もらってるんですから」

というのが私の感想です。

それとも、2日前に支給された約336万円もボーナスに、こぼれる笑顔を隠すために“やってる感”を前面に出したパフォーマンスだったのでしょうか? それとも意に反して“自主返納”させられた約85万円にご不満なんでしょうか? はたまた、お金の配分をめぐって勃発した夫婦喧嘩のストレスでしょうか?

  “いずれにしても”(『総理、ガースー、これが“いずれにしても”の正しい使い方ですよ』)パネルを前に会見に臨んだあなたの目の座った表情に『この政府で大丈夫か』と戦慄を覚えました。もし、お疲れで精神的に冷静さを保てないのなら、どなたか適任者に交代された方がいいのでは、とご注進致しますよ。人類の“敵”との戦いはまだまだ始まったばかりの長丁場ですから。


 政府は『感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る』としていますが、“言うは易し、行うは難し”です。“やってる感”だけの掛け声が、空しく響くのを国民はとっくに見抜いています。そんな国民の「自粛」協力で感染の第一段階をクリアしかけたところで、経済優先に舵を切ったばかりに東京を中心に感染は再拡大の様相を呈しています。感染者の推移を官邸から見ているだけでは事は解決しません。誰か、感染を最小限で抑え込んだ台湾の手法十分に学びましたか? 感染の恐れがあって、渡航できない? 台湾は日本の友好国です。二週間十分に隔離してPCR検査で複数回、陰性を確認した「特使」や「密使」を派遣して情報収集することくらいできたはずです。 国内で唯一、感染者が確認されていない岩手県の理由を分析しましたか? 宮城、秋田、青森の隣県まで感染が及んでいるのに、奇跡的に「感染確認ゼロ」を継続できているワケが気にならない鈍感さはいかがなものでしょう。国会議員には調査に使える手当ては十二分に支給されいるはずです。しかもJRはフリーパス。

 『与党でも野党でもいいから、行けよ! 手当てを貯め込んで蓄財してんじゃねぇよ!』

有権者3年生になった大宮幹太も息巻いています。

 東京都の“のんびり感”は何となく分かります。この場合の『分かります』は『納得できる』という意味ではありません。『理由が分かる』という意味です。7月に入って再び感染確認の連日100人超えが続いても、まだデッド・ラインには達していない、という判断でしょう。本日5日の東京都知事選が終わって再選されれば、小池さんは再び「自衛」でなく「自粛」を要請すると思います。2020年のオリンピック。パラリンピックでIOCから「1年延期」のお墨付きをもらった時のように、実態に即した“ヒール役”に徹することでしょう。万が一、選挙に敗れた時は想像がつきません。誰が都知事になっても、バンザイだけは勘弁してくださいね。能天気なバカ騒ぎに浮かれている状況でないことは明らかですから。


 とにかく、総理も都知事も経済再生相も“やってる感”を前面に出すパフォーマンスはもう要りません。キャッチフレーズ考えたり、フィリップ作ったりは御免です。「東京アラート」は僅か9日間。都民の大多数が見えないレインボー・ブリッジの警告表示に何の意味があったのでしょう。“やってる感”以外の何者でもないですね。アベノマスクの全戸配布と同じです。“感”ではなく、給料に見合った仕事をしてもらいたい。ただそれだけを願います。


追記


 7月15日、東京都内でクラスターが発生した演劇の会場で、6回も観劇した女性が保健所にPCR検査を申し込んでも『』になっていることが明らかになりました。出演者、観客合わせて48人の感染者と850人が濃厚接触者(㋆15日現在)が確認される「緊急事態」に対応できていないわけです。西村経済再生相と小池知事は今月だけでも何回か対応を協議しているはずですが、一体何をしているのでしょうね。まさに“”だけの丸出しです。「Go To トラベル」なんてやってる場合ですか?


東京都の感染確認者数の拡大を受けて、菅官房長官は『警戒感を持って対応する』と述べました。「緊張感」? 「危機感」? 「警戒感」? 次は何感が飛び出すか分かりませんが、正直もう、“”は真平まっぴらです。国の一大危機なんです。国を守るために責任を持って警戒して下さい。


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