第62話 オリ・パラはいっそ、東京外しで…
宮城で震災ボランティアを続けている小笠原広海の兄・渚とゼミ員とを結んで先日、オンライン・ゼミをやってみました。今回は、その時に渚がみんなをビックリ仰天させた爆弾発言を紹介しましょう。
新型コロナ感染が再び広がりを見せ、東京都も政府もビビっている現在の状況では、来年に延期されたオリ・パラ東京大会の開催は現実味がありません。ここは一日も早く見切りをつけて代替案を世界に提示すべきだ、という“爆弾”でした。
「密」を回避する究極のプランは、『全国各地に競技を分散してしまおう』という逆転の発想から生まれたそうです。
『元々、ボートは宮城県の長沼でやろうという話もあったわけで…』と、目玉焼きでも作るかのように楽々と“ハードル”を飛び越える渚。『じゃあ、野球とソフトボールは全試合、東北中心にしよう。楽天パークとか新潟もプロ野球の公式戦で実績あるし、侍ジャパンも当然やって来る』『これでこそ、“復興五輪”よね』と幹太も広海もやる気満々です。『岩手はコロナの感染者が出てないんだから、海外の選手や観客も安心だな』『マラソンはいち早く札幌に変更になってるし、陸上は国際大会も実績のある大阪の長居陸上競技場が使えるしね』。ゼミ員のアイデアは、溢れ出る泉のように枯れることはありませんでした。今回は網羅的には配置しなかったけれど日本人の「おもてなし」の心は全国にもあるわけで、東日本だけでなく、中国、四国、九州地方にも“適材適所”、その土地その土地の立地や特徴に合わせて競技を割り振ります。競技日程を少しずつずらせば観客の収容だって何とかなる、と私も思いました。何しろ、世界的な非常事態ですからね。オリ・パラのレガシーだって、全国に残るというものです。
日本は世界に誇る新幹線網が北海道から九州まで整備されています。交通インフラの充実は、将来の新幹線の海外への売り込み上でも“百利あって一害なし”ではないでしょうか。
今は、『東京大会は中止にすべき』との世論も大きくなっているようですが、中止なら大会誘致の経済効果はゼロです。しかし、「東京大会」から「日本大会」にすることで、国民の参加意識の再高揚も期待できそうですね。オリ・パラのためにわざわざ建て直した多くの施設は当面、ますだおかだの“閉店ガラガラ”状態になりますが、後でゆっくり使えばいいわけですし、1年延期でマンションとしての利用が先延ばしになった「選手村」の部屋の購入者も入居時期が予定通りになることで、いろんな不安が解消されるメリットもあるはずです。こういうのを昔の人は「八方良し」としたわけです。
『八方塞がりから八方良しにって、手品みたいだよね』
笑いを誘う“打率”が1割未満の央司の何気ないつぶやきが、結果オーライで珍しくメンバー全員にウケていました。
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