第51話 京アニ放火・容疑者逮捕の怪しい舞台ウラ

 テレビ、映画など数々の名作を生み出してきた京都アニメーションに放火し、クリエイター36人の命を奪った容疑者が5月27日、逮捕。やけどの治療中の病院から大阪拘置所に拘留されました。事件が起きたのは昨年の7月。犯行から10ヵ月、入院・治療のため逮捕・拘束を遅らせながら、なぜこのタイミングで身柄の拘束まで行ったのでしょう。いろいろと深読みしてしまいます。


 逮捕は、裁判所が「逃亡、証拠隠滅の恐れがある」との判断に基づいたということですが、現状の容疑者が自力で逃亡したり、証拠を隠滅できる状況にあるとは思えません。最初にピンと来たのは政府による“黒川隠し”です。総理の「法律解釈の変更」で定年延長の「超VIP待遇」の渦中にいた東京高検の黒川弘務検事長が、常習的な賭け麻雀が報じられるやいなや、辞職。事実上の解任で「幕引き」を図った政府ですが、定年延長の閣議決定の扱いや責任、同じ賭け麻雀で懲戒処分を受けた他省庁の国家公務員と異なる甘い処分内容など世間の批判は収まりません。

 そこで、持ち出したのが今回の逮捕劇ではないかと…。国民の関心を検察庁ナンバー2の「常習賭博疑惑」からそらせるために。三権分立を“独り占め”しようとした政権ですから、地裁の裁判官にプレッシャーをかけたって不思議ではありません。36人もの命が奪われているのですから、逮捕自体には異を唱えるつもりもありませんが、「なぜ今なのか?」「逃亡、証拠隠滅の恐れに現実味があるのか?」-。例えば、元日産CEOのカルロス・ゴーン被告のように容疑を否認しているわけでなく、基本、容疑者は事実関係を認めているのですから。

 そして、政府はこれまでも、同様なやり方で数々の疑惑を隠してきた“実績”があるからです。


 最近の内閣支持率の世論調査の度に、安倍総理を支持しない層の「支持しない理由」のトップが「総理の人柄が信用できない」であることを考えると、さもありなんと思ってしまいます。こうした国民の意識を変えるためには、政府自身が口で「印象操作だ」「レッテル貼りだ」ともっともらしく批判するだけではどうにもなりません。

例えば、財務省の公文書改ざんは再調査はもちろん「書き換え」なんて言葉遊びはやめて、改ざん文書の復元をしなければなりませんし、「桜を見る会」の「前夜祭」については会場のホテルから領収書を取り寄せれば疑惑の真実が見えてきます。新型コロナ対策では、多くの企業に営業の自粛を求めてきました。領収書を求めることが企業存続の成否に関わるほどの「営業の秘密」に触れる問題なのか理解できません。数々の疑惑に対しては逃げるだけ。野党の追及にも『同じ質問ですから、同じ答えになります』なんて勝ち誇ったように屁理屈で時間を浪費するばかり。「答えていない」から「同じ質問を繰り返す」のは子供だって分かります。まぁ、よくお考えいただきたいと思います。

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