第21話 なぜ「5Gでスポーツ観戦」を売り込むのか
大宮幹太です。またマスターの代役でつぶやきます。
夏休みに感じたことなんですけど、海外では既に5Gの時代。国内でも現在の4Gから間もなく5Gが主流になります。「G」といっても重力の話ではありません。カシオの腕時計、Gショックでもありません。「ギガ」の話です。スマートフォンのスペックのひとつ、通信速度が劇的に「進化」するらしいです。一部の業界人やユーザーの間では「常識」ですが、オレたちレベルでは具体的なイメージが湧きません。通信速度が4Gの20倍になって、ゲームのキャラの動きが早くなるとか言われていますが、オレたち、基本的にゲームにハマってないので、実感が沸きません。マスコミが騒いでいるのは、主にスポーツ中継で20台とか30台とかのカメラを使うことで、ひとつのプレーがいろんな角度から見ることが出来るらしいです。また多角度からの映像を一括処理することで3Dで臨場感がハンパないとアナウンサーが興奮気味で話していました。
ネットで調べたんですが、宇宙飛行士は地球上の9倍に当たる9Gの重力に耐える訓練を積むそうです。一般の人間が耐えうる重力が4~6Gと言われていますので想像を超えた世界です。最新鋭の戦闘機でも最大8~9G、F1レーサーも5G程度の遠心力が働いているそうです。オレたちの身近な所では遊園地のジェット・コースター。耳学問ですが、結構なGの負荷が掛かるそうです。オレ、
本題に戻ります。ふと思ったんですよ。プロ野球などでは審判の誤審を防ぐために「リクエスト(リプレー検証)制度」がありますよね。スタジアムは中継用に十数台のカメラが使われていますが、そのうち何台かのカメラで異なる角度から撮った映像でアウトかセーフか、ホームランかファールかなどの判定に使っています。テニスやバレーボール、バドミントンの微妙なイン、アウトの判定にもコンピュータがボールやシャトルの影で判断します。5G以前の十数年前からの常識です。5Gの売り文句に『スタジアムの遠い席からでも、選手をアップで見ることが出来る』というのがありましたが、「えっ、何のためにスタジアムでスポーツ観戦するわけ?」「ビールを飲むだけなら“付加価値”のついていない居酒屋の方が売り子さんの背中で“
山手線や私鉄各線で車内の様子を見ていると8割くらいの乗客がスマホに目を落としていますが、それと同じように、スタジアムや体育館でスポーツ観戦しながら膝の上でスマホ見てるっておかしくありません? プレーの合間にスコアボードのビジョンを見るのは分かりますが、目の前にあるせっかくのプロのプレーを見ずに、イヤフォンしながらスマホの小っちゃな画面に集中する姿。本末転倒に思うんですよね。
野球で言えば、ピッチャーの投球の風を切る音はさすがに聞こえませんが、ヒットやホームランの打球音、スタンドを交差する声援の臨場感ってテンション上がるじゃないですか。球場ならではの醍醐味です。ピンチを迎えた投手の緊張した表情や決勝打を放った打者の誇らしげな顔を見たかったら空調の効いた家でテレビを観ていた方が賢明ですよね。マスターは大画面テレビの野球観戦では、たまにNHKが副音声でやってる実況や解説のないスタンドのノイズだけの中継を観ています。自慢のサラウンド・スピーカーで。ビールと焼き鳥を差し入れに持って来た横須賀先生も『こりゃ、特等席だな。椅子がリクライニングのふかふかだったら言うことなし』と親友に悪態をつき、マスターも『実況もな、画面見ていれば分かることばっかりだろ。平凡な外野フライをあたかもホームランのように絶叫するのは迷惑以外の何物でもないんでな』と竹のザルに盛った茹で立ての枝豆を器用に鞘から押し出して口に運んでいました。
店のテレビはまだ4Kではないのですが、2人の辛口評論家は『プロ野球を4Kで観る意味が分からない』『4Kのカメラで撮影していない番組がまだまだ主流の今、“似非4K”で観てもなあ』と否定的。マスターも乗り換えるつもりは200%ありません。何しろ大画面テレビ買ってからまだ4年ですからね。5Kも同様で、はじめのうちは対応するソフトがどの程度提供できるのか。4Kにしても5Gにしても、そうしたユーザーにとっての「大事な情報」、「マイナスな情報」はPRしないんですよね。強調するのは画面のきれいさや処理速度の速さばかり…。
最近は「4Kは画面が暗い」とのクレームが相次いでいること、ご存知ですか。新聞各社は検証を始めていますが、テレビ各局は今のところ反応していません。『スポンサーや代理店の手前、立場上、反応できないんだろう。そういう観点で見るとテレビの報道番組も面白いぞ』というのがマスターの指摘です。ここにもやっぱり「政治的圧力」が働いているようです。
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