第16話 梵鐘

ポン吉「ヤバヤバヤバイよヤバしだよ それ」



百村「急がないと」



川畑「すぐ行かないと」



そんな動揺する皆にマツが告げた。



マツ「みんなうろたえるな 落ち着け ゲートは閉まってるんだ 入れっこない」



斉藤「それもそうか」



マツ「今 向こうには何人いる?」



七海「井野町長を含む6人よ」



それを聞いたマツがトランシーバーを手に取り口にした。



マツ「町長 そっちに奴等の大群が向かった 念の為 警戒してくれ 俺達もすぐにそっちに戻る」



応答を待つ事5~6秒後



次の瞬間



「ジィ いや~ レジスタンスのカス諸君 どうもどうも ゾンビちゃん達の襲撃プレゼントはどう? もう勝ち目などないんだ そろそろ無駄な抵抗は止めてくれっかな ジジ」



町長じゃない者からの応信…



誰だ…?



顔を見合わせ、一同眉をしかめた



誰だ今の…?



マツは恐る恐るトランシーバーの通信ボタンを押しながら口にした。



マツ「おまえは誰だ?すぐに町長に代われ」



ーーーーーーーーーーーーーーーー



ゲートの塀の上でしゃがみながらトランシーバーを手にする黒フードの姿があった。



そいつが見下ろすその下では



「ぎぁあああああ いだぁあああ」



「ぐわぁぁぁあわ」



外に放られ 感染者等に生きながら食われる5人の男達の姿



「だずげでぇぇぇ」



その中には町長の姿も見られた。



「フフッ」



ソッコーで5つのサークルが出来上がり絶叫が鳴り止むや凄惨なお食事シーンをそいつは笑顔で見詰めていた。



またフォークリフトに縛りつけられ、暴行を受け弱りきる阿部の姿



阿部「ぅ…くぅ…」



猟銃の銃口が突き付けられている。



「もう1つ 人形のプレゼントは喜んで貰えたか?」



トランシーバーを握りながら阿部へと近寄って行った。



そしてこめかみにも猟銃が突きつけられる



そんな猟銃を突きつける2人の黒フードの姿が見え



降り立った男が近づきながらフードをはいだ



金髪に顎髭を生やした20代前半の男



そいつが阿部へと近づき、正面に立つや再度トランシーバーを手に取った。



金髪「あれ… あまりお気に召さなかったか?」



ーーーーーーーーーーーーーーーー



マツ「貴様 黒装束か?町長は無事なんだろうな?」



「ジジ いや 残念 もうゾンビちゃん達のおなか行きだな… ほら 聞きな ぎあぁぁぁ ぐぎやああああ 聞こえたかぁ 今生きながら食われてるよ ジジィ」



トランシーバーから流れる黒フードからの応答と断末魔の叫び声に皆戸惑いを見せた。



七海「やだ…」



百村「そんな… 嘘だ 井上も…田神も… 死んだ…」



マツ「6人全員殺したのか? 貴様…」



すると



阿部「ジィ すまないっす マツさん…ジジ」



マツ「阿部か…」



「ジィ 1人だけ生かしておいてやったけど 後はゾンビちゃんの餌よ まぁ こいつも… いや…」



すると



ドォォォォ ドォォォォ



外から響いて来た銃声とトランシーバーから流れて来た銃声が重なり聞こえて来た。



「ジジ はは あ~ まじ最悪 汚っねえ 服に弾け飛んだ肉片がついちったわ 見事に首から上が弾け飛んだな ジジ」



そこには塀を這い上がってきた感染者の頭部が弾け飛んでいた。



「ハハ こいつは材料で持って帰る ハハハ」



ピク



御見内のこめかみに血管が一筋浮き上がった。



また…俯き、下を向くエレナの目は完全にブチ切れている



「ザァ もう俺達の本気度かつやべぇ度は分かるよな… 今から俺達の要求を言う 直ちにテメェー等みんな武装を解除し丸腰で来い そして代表の崇高なる実験材料になる事をここで誓え そうすれば今日のところは4~5人連れてくだけで見逃してやる まぁ 断ればここの奴等を皆 かっさらうだけの事だからよ おまえ等の正義はいかほどか… それは好きに選びな そうだな 3分時間をやる すぐに決めろ ジジ」



マツは震えからトランシーバーを落とした。



美菜萌「マツさん……」



マツ「町長まで…」



美菜萌がすぐさま膝を落とすマツに駆け寄り、マツの身体を支えた。



絶句し絶望のまなこでレジスタンスの誰もが震えている。



武装解除なんて出来る訳ない…



実験材料になれ…



そんなむちゃくちゃな要求にほぼ全員の頭が真っ白になっていた。



2人を除いて…



エレナが軽く息を吐いた。



攫うですって…



あそこには… 早織ちゃんとクリスもいるんだけど…



いきなりやって来て何ふざけた事言ってんのよ…



もう…… こいつら本当に頭きた……



天誅をくだすしかないわね…



そして顔をあげたエレナ



御見内の目つきも鋭さを増していた。



「ザザ さぁ 時間だ すぐに返答を聞かせろ どうする?ザザ」



床に落ちたトランシーバーから催促の声が受信されて来た。



すると御見内が無言でそれを拾い上げ、ゆっくりと口にした。



御見内「答えはノーだ 逆に俺から忠告してやる これから3分以内でその場から速やかに立ち去れ… そうすれば今日だけは見逃しておいてやるよ ザコ共」



「ザザ 誰だおまえ? ほぉ~ まだそんな口が聞ける奴がいるなんてなぁ 俺達の怖さが分からないのか? ザザ」



御見内「悪いな 部外者なもんで…お前達こそ何を知ってるんだ? それからお前等の代表とか呼ばれてるインチキ野郎にこう伝えておけ… これから流れ者がたっぷりお仕置きしてやると… おまえ等組織ごと壊滅してやるから待ってろってな」



「ザザ テメェー 誰だか知らねぇが代表を侮辱する気か? トランシーバー越しだからって調子にのってんじゃねえぞ 名を名乗ってみろ ザザ」



御見内「俺の名か? あぁいいぜ 俺は東京からここに立ち寄った者で……ハサウェイってんだ おまえ等こそ調子に乗り過ぎだから 立ち寄りついでに壊滅してやるよ」



「ザザ フフフ うける…壊滅だって? それは不可能だな テメェーのその反抗的な態度のせいで 攫うのはやめだ これから全員ぶっ殺してやるぜ ザザ」



すると



ピピ ピピ ピピ



どこからか微かに聞こえてきた作動音



その音は… 繋がれし異形の者から



微かに聞こえてくるその音の元を探す御見内が異形の者を目にした時 カッと見開いた。



「まずはテメェー等が死ね」



ピピピピ  ピピピピ



御見内「みんなぁ~ 外へ出ろ 早く」



その音は異形の者から聞こえて来る。



そう…異形の者の  体内から…



御見内「爆弾だぁ 早く出ろ」



ピピピピピピピピ



爆弾…?



慌ててマツに肩を貸し移動する美菜萌



また御見内の掛け声で皆慌てて外へと飛び出した。



ピピピピピピピピピピピピピピピピ



その数秒後…



ドカァァァァァァァ



起爆し、大音量と共に爆炎が勝手口から吹き出した。



黒煙が立ち込め



破壊された破片を頭に被るもギリギリ回避した一同が唖然とその光景を見渡す



体内に爆弾を植え込み



奴等…人間爆弾として送りつけてきたのだ



斉藤「ゲホ 皆 無事か?」



七海によって全員の安否が確認された。



七海「みんな 何とか大丈夫」



殺す…



御見内がトランシーバー片手にリストバンドを解除



紐つきの小槍を垂らしながら突如歩き始めた。



エレナもそれに続き、飛び出した。



斉藤「おい おまえ等何処に行く気だ」



エレナ「みんな少しここで待ってて下さい 今から挨拶して来ます」



七海「え?」



斉藤「挨拶?」



それを聞いた美菜萌は



美菜萌「マツさんをお願いします」



百村へと預け、美菜萌も2人の後を追いかけた。



七海「ちょ  み 美菜ぁ~」



火がついた御見内とエレナ



空に舞う黒煙を見上げる3人の黒フード達



残りの2人もフードをはいだ



ペラッチ社のSC3散弾銃とブローニング製ライフル銃を手にする2人



金髪はごっつい剣



青竜刀を所持している



「おい そいつは後回しだ まずは女、年寄りを皆殺しに向かう 行くぞ」



殺戮集団とのバトルのゴングが鳴らされた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る