第15話 一難

百村のスーパーショルダータックルが炸裂



ドサッ バン ドサドサドサ



将棋倒しに感染者達が倒れ込んだ



マツ「今だ」



マツの掛け声で一気にバリの復旧に動く男達

 


スピーディーにテーブルや椅子が置かれ、道が塞がれる



次々椅子やテーブルが組まれ、瞬く間にバリケードが築かれていった。



そして川畑により素早くロープできつく固定され



起き上がった感染者等が再びバリケードに張り付きだす頃には…



ガシッ ガシッ 



ガッチリとバリケードは固定、ビクともしない頑丈なバリケードが完成された。



根城「フゥ~ 一丁あがりだな」



石田「あっぶねぇ~ タマタマ縮んだわぁ~」



ガシッ ガシッ



バリケードに張り付きながらガシガシと揺すり、独り言で喚き散らす感染者達を眺めた。



「甲斐性はねぇ~かもしんねぇ~けど喧嘩だけは誰にも負けた事ないんで愛理守れんのは俺しかいなと思うんですねお父さん え?喧嘩が強いとか武勇伝語るとか貴方は中学生ですかって? お前いまだに何中のもんだとか言ってんのかって? そりゃあ30になりますが当然言ってますよ現役なんで 俺硬派でツッパリなんでまだまだ風きって町歩きたいんでよろしく 愛理も嫁に夜露四苦!」



「…パチ屋で知り合った打ちながらサイダーばっか飲んでる老いぼれのタカさんと知り合って飯食ったり、デケェー家に泊めさせて貰ったりと、かなり仲良くなったんだけど…あのおっさんかなりのハイエナっぷりでサクセスストーリー驀進中で月収40万とか…かなりリッチな暮らしで最近ポルシェ買ったとかほざいてたわぁ~ あいつ…スロットで飯食うとか…全く苦労もせずに成功しててホント人間のクズだよなぁ~ まぁ俺のサラ金で借りた金の額の方が上だからぁ 数字的には俺の勝者だけどなぁ~ つ~か毎日金貸しのチンピラに追い込みかけられてる俺の方がずっと苦労してるし 若い時は金払ってでも苦労しろとかよく言うじゃん 俺はその点かなりの苦労人で偉いっつうか… もうちっとタカさんも俺を見習えっつうかあ~ 飯ぐらい毎日奢れっつうかぁ~ スロ資金ぐらい羽振りよくポンと貸せって感じぃ~ まぁあのおっさんは苦労知らずなクズだから何言っても無駄かなぁ~~ あ そういえば昨日自販機に釣り銭で500円をゲットしたわぁ~ 」



「我々は宇宙人様だ…地球から4光年離れたウルトラの星からトラベルで訪れて来た あなた達地球人には一つだけ言いたい事がある 我が星では地球学なるものがありあなた達の生態から何から学んできた…そこでとても気になったんですが…私達が攻撃的な生き物だと思われてる事です…とても心外に感じます なんせそもそも宇宙では皆が平和に交流するのが常識なのだから…争いと言うものは無いです…この星が異質なだけなのだから…そう…争いを好むあなた達と私達を一緒にしないで欲しいと思っています…それとよく映画などで侵略しに来る様が描かれていますが…そもそもこんな科学力も低く、ろくな資源も無い低レベルな星を侵略するメリットなど何も無いんですよ…あなた達は水槽で泳ぐ鑑賞用のお魚みたいなもんなんですから…まぁ食われるあなた達にはもう関係ないか…はは」



バリケードに張り付く白衣姿の感染者を指差し



大堀「なぁ~ こいつさっきと話し方も言ってる事も若干違くねぇ~ ウルトラの星とかほざいてんだけど この壮大な独り言は誰に向けての発信なんだよ」



中野「こんな奴等の言ってる事支離滅裂なんだから耳貸すなって」



大堀「はは それもそうね」



御見内「ひとまず これで安心ですね」



マツ「あぁ」



奴等の侵入阻止に成功し、安堵を浮かべる一同



マツがトランシーバーを手に取った。



マツ「移送の方はどうだ?」



町長「ザッ こっちは順調だ 寝たきりの爺ちゃん婆ちゃんの搬送は無事終わったぞ 今60人程倉庫に到着してる ザザ」



マツ「了解 こっちも何とか侵入阻止に成功した 引き続き頼む」



町長「ジィ 了解 ジィィ」



斉藤「一時はどうなる事かと思ったけどこれならうまく行きそう」



マツ「あぁ」



すると 全員外に出され、誘導を終えたエレナ、美菜萌、七海も姿を現した時



七海の悲鳴があげられた。



七海「きぁぁぁぁ 何こいつ…?」



異形な姿の化け物を目にし悲鳴をあげる七海を皆が目にした。



ポン吉「そうだ…つ~か何なんすかあの気持ち悪ぃ化け物は…」



皆が繋がれた化け物に注目する



今では大人しく座り込む異形の者に御見内とエレナも目を向けた。



マツ「さっき急に現れて襲われた このガラス窓をブチ破った張本人だ」



谷口「おい 見ろよ これ…あの酒屋の主人じゃねえか?」



小泉「ホントだ…」



マツ「皆 この町の住人だ 奴等に拉致られた者だよ…」



斉藤「まじかよ… 噂に聞いた人形… これが…」



マツ「なんでかは知らないが手錠を嵌めてから大人しくなった…だからお前等あんまりビクつくな 近寄らなければ平気だ」



中野「って言われても…」



ポン吉「なぁ こいつ ひぃ ふぅ みぃ よー 腕が8本あるぜ、それに脚は6本あるぜ」



恐る恐る異形に近寄り、観察するポン吉に



根城「あまり近づくなって」



顔を近づけるや今まで大人しかった筈の異形の者が突如歯をむき出し、噛みつこうとした。



ポン吉「うわっ」



かろうじて噛みつきは免れ、後退するポン吉の前に薙刀を構えた小泉とボウガンを構える阿部が口にした。



小泉「っぶねぇ ポン吉さん 迂闊に近づかないで下さい」



斉藤「ホントだよ 死にたいのか」



ポン吉「う…へぃ」



根城「それよりこれは人なのか?それとも感染者なのか?噛まれたら伝染(う)つるのかな?」



斉藤「試してみるか?」



根城「あ いや…遠慮しときます」



御見内「斉藤さん これ ありがとうございました」



斉藤「あ あぁ」



御見内は斉藤へ鳶口を返し、打根をリストバンドで手首に固定した。



エレナ「ねぇ やっぱり引っかかるよねこれ」



背後からエレナが近づき、囁く。



御見内「あぁ…やっぱりそう思うか?」



エレナ「タイミング的にもおかしい…安心するのはまだ早いよ」



そう…安心するのはまだ早い…



エレナ「道…」



なんせ…こいつの存在自体が安穏を阻害しているのだから…



御見内「あぁ」



御見内とエレナの頭の中に様々な疑問が浮かび上がるが



その様々な疑問は取りあえず、さておきにして…



御見内は異形の者を見つめ、表情を曇らせながら口を開いた。



御見内「マツさん 1つお願いがあります」



マツ「なんだ?」



御見内「早急にアジトを… みんなを違う場所へ移動させて下さい」



七海「え?」



その場の皆が御見内を目にした。



マツ「移動だと?」



御見内「はい 今日か明日にでも… いや本日中にです これが終わったらすぐにでも」



斉藤「今日?それは無理だろ 急過ぎる」



マツ「…」



御見内「これは奴等の作った実験体なんですよね?」



川畑「実験体? はっ まさか…」



これが実験体…



そのワードを耳にし、皆が異形の者を黙視した。



皆 唖然とさせ言葉を詰まらせた。



大堀「例の潜入した戸塚の報告にあがってきた奴か…」



七海「まじなの?あいつらホントにこんなムゴい実験してたの…ありえないんだけど」



マツ「確信は無い…俺も初めて見るんだからな…だが こんな非倫理的で残酷な行いをするのは奴等以外に考えられん…」



御見内「誰がこいつをここに?」



斉藤「奴等が… でもおかしいな 見張りしててそんな気配はなかったぞ なぁ?」



ポン吉「うん 侵入されればすぐに分かる」



御見内「でも今 こうしてこの実験体が現にここにいるんです… これは偶然迷い込んだのか? 俺は違うと思ってます こいつを放った奴が近くにいるんです」



美菜萌「……」



マツ「つまり俺達のアジトが奴等にバレたといいたいんだな?」



御見内「はい こんな小さな田舎町… ここは大都会とは違います バレたとしてもおかしくありません」



斉藤「もしそうならやべえだろ あんな奴等にとっ捕まりたくないぞ」



御見内「なら 早急にすべきです 奴等の急襲がある前にすぐに違う場所に移りましょう」



佐田「だけど こんなゾンビがうようよする町中を大所帯引き連れて何処へ行けってんだよ?」



谷口「あぁ 言う程簡単じゃない すぐには無理だ」



そんな話し合いが行われる中



御見内「こいつは普通の人よりも少しばかり勘が鋭いんだ」



御見内が親指でエレナを指し示すと。



エレナ「えぇ 皆さん 私何だか胸騒ぎがするの… とっても嫌な感じ お願いします 一刻も早く引っ越しの場所を検討お願いします…」



その時だ



中野「おい あれ見ろよ」



中野が突然指さした。



その先には…



バリケードに群がる奴等がいきなり移動しだしたのだ



中野「こいつら今度はどこに?」



どんどんと感染者等がバリケードから離れ、何処かへと走り出す



斉藤「なぁ これやばくねぇーか あいつら倉庫の方向に向かってるんじゃ」



マツ「町長 阿部の囮は?」



町長「ジィ もうとっくに合流してるが 今一緒にいるぞ ジィ」



マツ「クソ っとなると…」



奴等…倉庫へ…



倉庫へと移動しはじめたゾンビの群れ



再びエレナ等に一難が舞い戻って来た。



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