遠い未来において緑に憧憬を抱くがゆえに肌を緑に染める奇病を崇め奉る凶星の民。幻想的な世界観に絡め這う蔓のように滑らかな文体。とても美しい短編でした。
SFをこよなく愛する趣味の物書き。しかし専攻は政治社会学と安全保障学。 生活環境が大学院生から一般社会人にランクダウンしたため、更新は遅い。
星と、病と、彼女と、彼と、彼女。乾いた距離感のある物語。けれどそれは冷たく悲しいものではない。言葉のひとつひとつが綾なす美しさを感じられる短編です。
文章そのものに色気があって、どこをどう掬っても息を呑むほど美しい。語りは乾いて淡々と、しかし切実さを消さずに病を語る。風土、それから世界のありかた。詳しい説明がないのに肌に広がる感覚はなんだろう。…続きを読む
という語彙でしか語れません。なぜその言葉を選定できるのか。自分ではまったく思いもよらない言葉が、まるで違和感なくそこかしこに佇まいます。はじめからそこにあるべきであったかのようなその言葉たちは、…続きを読む
姉が「蔓草病」という病に罹患してしまった少女アニマ。姉の肌には緑の曼荼羅じみた文様が浮かび上がり、病が進行するにつれ蔓草のようにはびこって、徐々に身体を衰弱させるという。だが一方で、蔓草病が発症し…続きを読む
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