第155話山の頂上で

「はぁ~」


仁は深いため息をつく。

理事長からの依頼を受けた仁だが、今更ながら後悔していた。

そんな仁は歩き続ける。


「……随分とデカイ屋敷だなぁ」


余りの大きさに仁は思わず声を出す。

仁は屋敷に入ろうとした瞬間に気づく。

丸太に腰掛ける赤い鎧を着た人間に仁は目を向ける。

赤い鎧を着た人間は剣を地面に突き刺し、剣に両手を添え全く動かない。

生きているのかも分からない。死んでいると言われれば納得出来るレベルだ。そんな赤い鎧は未だに丸太に腰掛ける。人間が中に居るのかも分からない。


「僕に用ですか?」


赤い鎧を着た人間は思いの外優しい声の持ち主で仁は動揺する。


「……お前がデューク・クラークか?」


仁は依頼書に書かれた人物の名を呼ぶ。


「確かに僕がデュークだけど……」


目の前に居る人物がデュークであると知った仁は右手に紅色の炎を灯す。


「お前……強いんだろ?」

「……弱くは無いと思うよ」

「依頼は受けたがやり方は俺が決める。無理矢理にでも学校に連れていく」

「また……理事長の依頼か?……良いよ。君が勝てば学校に行こう。しかし、僕が勝てば今後は関わらないで貰おう」

「……お前じゃ俺には勝てねぇよ」


丸太に座っていたデュークは立ち上がる。

それと同時に地面に突き刺していた剣を抜く。

抜いた剣はに先は無い。突き刺さっていた訳では無く、刀身の先が無く、欠けた剣だ。

奇妙な剣に目を奪われる仁にデュークは剣を仁に向ける。


「この剣はデュラハン・ブレイブ……この剣で斬り裂かれたら……簡単に切断されるよ」

「剣何だから斬れるだろうが」

「……君はデュラハンって知ってる?」

「……首が無い奴だろ?」

「そう。この剣が有れば簡単にデュラハンを造り出す事が出来る」

「……何が言いたい?」

「見せれば分かるかな」


デュークは近くを歩く鹿に目掛けデュラハン・ブレイブを投げつける。

デュラハン・ブレイブは鹿の首に直撃する。

首に直撃した鹿の首は宙を舞う。

この瞬間に仁は理解する。デュラハン・ブレイブの能力を理解する。

宙を舞っていた鹿の首は地面に落ちる。鹿の胴体は何事も無かったかの様に元気に走り出す。地面に残された鹿の首からは血が一滴も出ていない。

つまり、デュラハン・ブレイブは切断した者の肉体を切り離す事が出来る剣だと仁は理解する。

デュークは地面に落ちているデュラハン・ブレイブを魔法陣で回収する。

この時点でデュークが魔法を扱える事を仁は把握する。

デュラハン・ブレイブでの攻撃と投げつけに仁は注意する事に決める。


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