第55話 再び商業ギルド別館 2
ギルドスタッフの案内で、空いている部屋に一旦入った。
こっちは冒険者チームが、ギルドスタッフと打ち合わせしたり、ちょっとしたミーティング室として使う小部屋らしい。
「カウル、コレの登録してくれ」
バルおじさんが、レアから必要な物や描きかけアイデアを受け取りソレらを見せながら、登録しないと横取りされる危険あると、告げる。
「下にフルガが、まだ居ればここへ呼んでくれ」
居なければ、鍛治ギルドまで呼びに行けとギルドスタッフに告げ、ついで登録用紙の用意と緊急でルシ坊を呼び出すよう頼んでいる。
「さてレア嬢ちゃん。今度はどんな騒ぎだね?」
ブフッとナナカが吹き出していたが、スマンと謝っている。
「そこ笑うとこ?」
キッカケが、ナナカがまずバルおじさんの屋台を見つけ、まだ登録してないが開店予定の店に置く商品を大量買いした事。
レアも、店が開店したら何か置いて欲しいと話してて、自分のスキルで出した紙を皮製品でどこでもスケッチ出来るセットにすれば売れるかと話た事。
「このクリップボードを、上手くはめ込んだ物が欲しいと言われてな。オーダーも、基本取っていたからな」
バルおじさんが、カウルじいさんにクリップボードを見せる。
「持ち運び便利かつ、外だろうがどこへでも持ち運び可能で、記録も出来る」
クリップに紙を挟んでおけば、風に飛ばされることもない。
「クリップに板が付いた物は、初めてみるな」
クリップ自体は、既にあるが板と一体化した物はない。
大体、クリップは洗濯物を乾かすのに使う物だ。
「これのおかげで、売れ残りがすぐはけた」
どう使ったかの説明は、バルおじさんがしてくれた。
レアとナナカがしていた事は、ギルドスタッフから茶を受け取り、飲みながら待つ事だけだった。
横ではナナカが、ギルドスタッフから受け取った書類に、開店予定の店の登録書類を記入している。
判断付かない未記入箇所は、後日ギルドスタッフが店まで来て確認するそうだ。
「お店どうやるか、決まったの?」
「今回は、店内空間拡張で広く使えるから、子どもの遊び場付きで親がゆっくりお茶が飲める空間と、普通に物を、色々売るってさ」
ちょっとした憩いの場所を、提供しつつ近所付き合いを優先にするそうだ。子どもの為に、この町に来たし、子どもらしい付き合いをさせてやりたいそうだ。
そこに、儲けとかは考えていないらしい。
まぁ、上位ランクのチームのメンバーばかりだ。
ちょっと森かダンジョン行って来るで、それなりに稼いでくるだろう。
金に困って居ないので、儲けよりも子どもの為の交流中心らしい。
ノックの音と、ギルドスタッフに案内されたフルガ鍛治ギルド長が、入室してくる。
この別館から出てはいたが、呼び止められて戻ってきたようだ。
「おう。バルか久しぶりだな」
この人も、バルおじさんと知り合いのようだ。
「呼び戻したが、すまんがコレを確認してくれ」
フルガに、折りたたみナイフを渡す。
「これは、スキルで出した物だな?久々に見たぞ」
フルガには、鍛治で作られた物ではないと、直ぐに分かったようだ。
「一般に知る者は少ないが、ユニークスキルでこういった物を出せるスキルがある」
鍛治で、この薄さは作れない。
フルガが、小型ナイフを自分のアイテムポーチから出す。
「これは弟子の作品と、こっちは俺が作った物で、こっちは量産品と3つの違いが分かるだろう?」
鍛造、鋳造の違いは分からないが、見比べて見るとそれぞれ違うのは分かる。
「これを魔力で見ると、もっと分かりやすい」
鍛造は、作った者の魔力をまとっている。
鋳造は、そう言った魔力が含まれない物が出来上がる。
「この折りたたみナイフだが、魔力の塊だな」
鍛造で作った物は、また違った魔力の見え方らしい。
「あのぅ魔力を見るが、分からないです」
レアからすれば、鍛造と鋳造と言われた違いしか分からない。
ただ、ここに鑑定スキルを使えば、即違いは分かった。
「鑑定があるなら見分けられると思うが、通常鍛治職人か、魔法職に就く者なら必須でな魔力視と言う魔力の流れが見えるようになるスキルだ」
魔力視はね。
使えると、魔物の位置分かりやすいよ〜。と、神託で神が脳内で呟いている。
索敵でも、魔物の位置は分かるが、魔力が見えればなお便利のようだ。
ただ、脳内に主張するような神託をされると、気になって困る。
「そうですか」
「大方、レア嬢ちゃんのスキルだろう?ルシ坊に聞かないと、判断つかないんだろう」
持ち込んだのが、レアだろうとフルガには分かったようだ。
見えた魔力が、レアのに酷似して見えたらしい。
レアがスキルの事で慎重になっていたのは、貴族である雇い主のルシアスにどんな影響が出てしまうか不明だからだ。
「雇い主の心配か?コイツ孤児だけど、ちゃんと保護する身内の一族は居るぞ」
ナナカが、書き終えた書類をギルドスタッフに渡してから言う。
孤児なら、なぁなぁでどっかの貴族に養女にされる心配があったが、レアの場合は特殊な事情があったから孤児院預かりだっただけだ。
「そうだっけ?」
一応、両親は亡くなってるし、孤児なのは確かだよね?とレアが聞いてくる。
「アホっ、アインスが何の為に定期的に孤児院訪れていたと思っているんだ」
こう自覚が薄いとは、アインスも大変だ。
「レア嬢ちゃんには、親族がおるのかね?」
カウルじいさんも、初耳だったようだ。
「こっから先は、コイツの雇い主が来てからだ」
同じ話をまたするのは、面倒だからとナナカが伝える。
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