第54話 再び商業ギルド別館 1

折りたたみ式ナイフで、おじさんがかなり驚いている。

刃を出したり折りたたんでみたりと、折りたたみ式ナイフは、この世界にもあるが折りたたんだ時の、薄さに驚いているようだった。


「嬢ちゃん。これは銀貨では買えん。金貨1枚以上する」


普通の折りたたみ式ナイフは、こんなヤツだと見せてくれた。

年季が入っているからか、全体的に黒っぽく大人の手に持ちやすい大きな物だった。

これは男性が髭剃りに、使う物らしい。


「だよな。見た目どっちかっつうと貴族向けだな」


ナナカが、装飾はないがシンプルな折りたたみ式ナイフにそう思った様だ。


「これ鉛筆削る為だけ用だよ」


このナイフ出した時の魔力いくつだったか?と、考えつつそうなると一般町人には買えなくなる。


「面倒だし、町人向けと貴族向けに区別してナイフなしを安く売れば良くないか?」


別売りにしても良いし、絶対ナイフも付けて売らなくても、セット売り見本の例を店頭でナイフありなしとか、紙だけ持ち運びして手持ちの筆なり鉛筆なりお好きにどうぞと言うことらしい。


ただクリップボード(画板)は、初めて見るし、商業ギルドに直ぐにも、登録しろと言われてしまった。


「となるなら、ルシアス様入れないとダメかな。カウルじいさんにも言わないと?」


さっき別れてきたばかりなのに、直ぐまた再会とか色々いわれそうだ。


ルシアス様からは、また面倒やらかしてると、言われそうだ。

画材スキルを、詳しく知る人はまだ少なくて判断つかない。


「嬢ちゃんは、カウルの知り合いかい?」


「はぁ。さっき会ってまた直ぐ会うってなると、何か言われそうって思ってただけです」


ただでさえ、今のレアは注目されまくりなのだ。スキルや魔法にツッコミされても、出来るんだから仕方ないと、開き直りするしかない。


カウルじいさんなら、まだ商業ギルド別館にいる可能性が高いと、おじさんに教える。


「なら直ぐ別館だな」


結局、また別館に逆戻りするハメになった。

孫娘と部下に、屋台を任せるとレアとナナカを連れておじさんに付き合う形で、商業ギルド別館方面の道を戻って行く。


「お前といると、なにかが必ずおきるな」


ナナカが、面白い事なら良いが、目立ち過ぎてまた拐われそうだとボヤく。

普通、そう次から次へと犯罪に巻き込まれるなんてありえないのだが、人攫いだけでなく、盗賊とか、貴族に目を付けられ監禁生活も有能なスキルや魔法持ちなら、充分ありえなくはない。


前世と比べ、この世界いつ何に、巻き込まれるか分からないのだ。


「ほう。嬢ちゃんは、そんなに有能なスキル持ちかい?」


ずっとおじさん呼びをしていたが、バルトロダールと言う名前らしく、バルおじさんとでも呼んでくれと言われた。

長く、行商をしていたが息子夫婦と交代して、今は町中で商売している。


孫娘は、マリちゃんと言うらしくおじいちゃん子なのか、親の行商にはついていかず、看板娘になると微笑ましいほどの、孝行娘になりそうだ。


「そこはカウルじいさんにでも、聞いてください」


自分から、言うわけがないのだ。

吹聴するのは個人の自由だが、一々言ってたらきりがない。


そう思っているが、忌々しいことにレアちゃんピンチとか、意味不明の神託が本当に意味なくステータスの隅に流れている。


転生者特典の、どこだろうが自由に自分のステータスを見る事可能は、脳内の隅にパソコンやテレビ画面が表示されたまま放置と言ったイメージだろうか。

つけっ放しの状態にしているが、一番表現として近いかもしれない。

便利ではあるがこうイラっとしてしまう。


「そうだな。カウルに会うのも、久々だし聞いてみるか」


バルおじさんは、カウルじいさんよりもかなり年下の知り合いかと、そう思っていたが驚く事に、カウルじいさんとは幼馴染らしい。

年齢もそう離れていないと聞いて、かなり驚いた。

怖そうな雰囲気ではあるが、とてもお年寄りには見えない。

老齢に入り始めたくらいで、孫娘のマリちゃんと並べて見れば、若めのおじいちゃんと言えなくはない程度なのだ。


「ははは、驚くか?先祖に長命種族がいたのかもな」


こう言った事例は、珍しくないようで見た目と年齢がありえないと、そう言われる人は町でもかなりいる。


鑑定してみようかと、考えていると脳内の神託に珍しー、竜人族の血筋久々だ。と、また神が勝手に神託を使ってくる。

竜人族?と思っていると、知りたい?謝礼は甘い物が良いなぁ。と、こっちの考えている事まで筒抜けで、脳内でチャットを使っているようにしか思えない。


「どうかしたか?」


ナナカがだんまりしているレアを、不審に思ったようだ。


「色々考えてただけ」


脳内で神の神託見てました。

だなんて言えるわけがない。

神託はねー、普通頻繁にしないよう。と話題を変えてくる。


その時の呟きたい事を、コロコロ変えてくるので、怒っている自分が馬鹿らしくなる。


商業ギルド別館に入ろうと、開けたドアの向こうにカウルじいさんがいた。

ここを出て、本館に戻る所だった様で運良くかち合ったようだ。


「おやレア嬢ちゃんどうした?」


戻ってきたレアに、疑問に思った様だ。


「おう。カウル!変わらずハゲっぷり増したなぁ」


バルおじさんが、周りをはばかる大声でカウルじいさんに声かける。

周囲の者が、ギョっとしている。そりゃそうだ仮にも商業ギルドのギルマスに、暴言したようにしか見えないのだ。


「バル戻っていたのかぁ」


怒るどころか、煩いのが来たと言う感じだ。


「あの坊主呼んでくれ。レア嬢ちゃんの仕事話だ」


コソっと、ルシアスを呼び出せと言っている。

どうやらバルおじさんも、ルシアス様とも顔見知りのようだ。

縁て、どう繋がってるか分からないねー。と脳内で神託が流れていた。




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