第50話 冒険者ギルド前広場 1

冒険者ギルド前広場でも、レアは声をかけられまくった。

協力してくれた、冒険者がレアの顔を覚えてくれたからだ。

良かったなと盛大に言われ、肩を叩かれたのが痛かったが、悪気はないと分かっているので、礼を告げてまた肩を叩かれと、際限なくややげんなりしてくる。


「なんかごめん。ゆっくり見れないね」


「お前の分の、外見誤魔化す魔道具作るよう頼んどく」


ラウシャなら、魔道具を作れるはずなので子供の分だけでなく、頼めば作ってくれるだろう。


「かかった分の、材料費とか料金払うと伝えてくれる?」


「話しておくが、多分受け取らないぞ」


住む事になったあの店付きの家(館サイズだが)を、無料で貸してくれてるのだ。

それだけではなく、空間魔法の秘密の部屋まで対価なく貸してくれているのだ。

魔道具1つくらいなら、タダで構わないと言うはずだ。


「ウーン、せめて材料だけでも受け取ってと話すよ」


興味引く物はないかと、レアが見つけるのは食べ物の屋台ばかりだ。


ダンジョン産の、見慣れない野菜の様なもから果物らしき物を見つけては、味はどうだと屋台の売り子に聞いたりしている。

買うのか?と聞けば、美味しいなら孤児院への土産にすると話す。


「買わないのか?」


「今は良いかな」


だって見られているからと、そう言わないがレアが自分の蜘蛛のクーと念話で話し、ナナカの蜘蛛がクーと念話して、それをナナカに念話すると言う回りくどい事をしてナナカに教える。


レアが鑑定出来ると知られるようになり、レアが買った物なら貴重では?と、探る様な視線が増えていたからだ。


事件前なら、レアがどのような者と知る者はそう多くなかったので、気軽にほいほい購入していたのが、変装や魔道具か魔法で誤魔化さないと、今後の購入でも今日と同じ事になってしまう。


「早めに用意しないと、ダメそうだな」


「お願いしますと、伝えて」


自分で魔法作って誤魔化すもありなのだが、どうも変装のイメージが強くて、いわゆる擬態ならスキルで作れたが、これは自分を他者から発見されない為のスキルだったので、町中で使えない物だった。


どうもイメージをはっきり決めないと、似ているようで、違うスキルが出来てしまうようだ。

要研究である。


「あれ、これダンジョンの宝箱だよな?」


ナナカが、通りにある屋台に山積みと、なってる小箱に足を止める。


「お兄さんお目が高いね。小箱くじ買わないかい!」


威勢よく屋台の売り子のおじさんが、さぁ買ったと、声かけてくる。


「小箱は、確か銅貨3枚〜銀貨5枚になる価値の物が入ってるんだよ。開けてないから、確かにくじとも言えるけど、銅貨5枚でも損しそうだよ」


レアは、中身の鑑定に出すと銅貨5枚かかるのと、鑑定しても大体が銅貨3枚の価値にしかならない物しか見つからないので、最近のギルドの買取が小箱に関しては、銅貨3枚とナナカに教える。


「この小箱なら、子ども達にあげれば自分の好きな宝物入れてくれそうだけどね」


空箱なら、ギルドや店で銅貨1枚〜2枚で購入可能と教える。


「まぁ、購入しない方が損しないけどね」


「チビ達の、土産にするぞ。選ぶから待ってろ。オヤジ5個買うから、銅貨25渡すぞ。選んで良いんだよな?」


「まいど!」


「後で、損したって悔しがっても、自己責任だよ」


好きにすればと、レアはナナカの買い物が終わるのを後ろから待つ。

周囲には、鑑定出来るレアが呆れて見ている事から、やはり価値がないんだと勝手に判断している。


「これで良いかな」


「どんな基準で、選んだの?」


やっと選び終わったナナカに、聞いてみる。


「チビ達の土産だから、なるべく外見が綺麗で、似た形の物にした」


空箱が綺麗な方がチビ達も、喜びそうだからのようだ。


「でも、その手の中のは?」


「5個購入のおまけだってさ。やるよ」


ホラっと、レアに投げ渡す。

先に購入した物は、アイテムポーチに仕舞ったようだ。


「これも、自分で選んだの?」


小箱を見て、周りもレアが鑑定したと判断して見てくる。

本当に、鬱陶しい視線だ。


「ああ。好きなの選べって言うからさ」


「ナナカって、運良い方なの?」


「結構良い方だと思うぞ」


レアの様な、鑑定スキルは持っていないが、運は良い方だなと話す。


「これ当たりだね。ありがとう銀貨4枚のブローチだよ。思い込みで、損するって思ってたけど、運が良い人ならそれなりの価値ある物引き当てるんだね」


ただで得したね。と、その屋台からレア達が離れた途端、何故かまとめ買いする者が続出していた。


「アレで、良かったのか?」


ヒソヒソと、ナナカがレアに聞く。


「うん。じゃないと、誰もあの後手を出さないしね」


狡い事だが、蜘蛛を介した念話でレアからナナカへ、購入する小箱5個を先に鑑定した物から、選んで購入してもらったのだ。

なので、先に購入した小箱の中身は銀貨数枚の物ばかりと分かっていたが、オマケにナナカが自分で選んだ物まで、銀貨の価値ある物だったのが、嬉しい誤算だった。


「運が良いから出たって、あれで印象を受けた周りが自分も運が良いかもで、購入が殺到したんだね」


一種のギャンブルのような物に、なっちゃったかなと、思わなくもないが購入は自己責任だ。


かなり歩いて離れたが、あの屋台辺りで人の叫び声が聞こえているが、自己責任だよねーと先に進む2人だった。


その後、屋台で1人のおばちゃんが見事、銀貨の価値ある小箱を手にしたと聞いた。










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