第49話 商業ギルド 別館 3
魔力なしと、呼ばれた人達の鑑定が終わり、自分の魔力が無くなった原因が、呪いだと分かった事が精神的に大きかったのか、彼等から暗い雰囲気は消えていた。
「あのありがとうございます。解呪さえすれば、元に戻るって事ですよね」
家族連れの、ドワーフの母親がレアに礼を言ってくる。
「私がしたのは、たまたま鑑定で原因が見れただけですよ。礼を言われる事はしてません。商業ギルドで、他にも似た状況の人がいるかもしれないと、周りに魔力なしの原因を知らせるそうですから、解呪が終わり周りが理解したと確認出来てからなら、元の生活に戻れるとは思います」
ただ思い込みや一度ついた偏見を、直すのは大変だと思う。
無知は罪と言えるが、皆んながそう言ったからでせっかく解呪しても、また同じように言われるかもと、解呪が無事終わったら別の場所で新たな生活を始めた方が良いかもしれないと、助言はした。
「この後、彼等はどうするんですか?」
匿っていたのは、フルガを筆頭としたドワーフ族だ。
「解呪が決まるまで、匿うことなる」
教会に彼等の事を知らせるより先に、魔力なしの事実を国中に流すらしい。
ここに来れなかった魔力なしも、他の場所で保護しているらしく、そちらはドワーフの神に仕える神官が試し解呪をして、魔力が戻るか確認するそうだ。
魔力なしの原因が、魔族のカケラ以外でもあるのか、現時点でまったく分かってないので、もし解呪しても魔力が戻らないなら、また鑑定して欲しいと言われた。
「魔族かぁ」
過去に戦争があったと、誰もが知ってはいる。
教会が、今もなお大地の浄化を定期的におこなっているからだ。
浄化された大地は、肥沃な地になると言われ、荒地から植物が生えて大地が回復したと確認もされている。
浄化する事で、荒地になった原因が取り除かれたからとも言われている。
ただ浄化をしてはいるが、大地は広く人が簡単に入れない凶悪な魔物が跋扈する土地もあり、主要都市や、町と人口密度が高い地域を優先に浄化した。
まさか鉱山の中も、浄化が必要と誰も考えなかった盲点だろう。
「もう良いのか?」
会議室から出ていく者達を、見送りながらナナカはレアに聞く。
時間にして3時間ほど、ここに居たことになる。
「頼まれたのは、鑑定だけだからね」
この結果で教会や国がどう動くかなんて、レアには関係ない。
「解呪スキル持ちって、教会関係者だけなの?」
「いや、種族にもよるが神に関わる者なら身につくと言われてるな」
教会は、あらゆる神を祀っている箱にしか過ぎない。
神により祀る場所が遠く、教会は人が訪れやすいようにした場所でしかない。
そのせいか、エルフ族は教会に入らないらしい。祀る女神の像が、教会にないからだ。
エルフ族が祀るのは、時の森の女神アレフレア。
世界を支える世界樹の番人と言われている。
「私が考え込んでも何も変わらないか。中途半端に時間もあるし、屋台見ながら町を案内するよ」
町をまだ碌にみてないだろうと、レアはナナカが行きたい場所を聞く。
「それなら、森やダンジョンから取れる物を、確認したいな」
「なら冒険者ギルド前広場だね。そこなら日々採取された物、ドロップアイテム販売をする屋台から食べ物に素材を扱う屋台があるよ」
レアは、カウルじいさんとフルガに声をかけて、また何か用があれば知らせて欲しいと、しばらく住むことになる場所を教え、商業ギルド別館から移動する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます