第46話 エルフ族 5
やらなければならない事は、沢山あるのに中々思うように進まないのがもどかしい。
あの後、出かけていたエルフ族の男達が戻って来て、自己紹介しあったがクラン大地の道標は、スレバの町以外にも仲間が居て、リーダーのアインスさんが居るAランクチームは、深緑と呼ばれるチームらしい。
他にも居るAランクチームが閃光と日輪で、Bランクチームが光彩と紅羽で紅羽は女性だけのチームと聞いた。
物作りや研究するCランクチームが深淵で、クラン内で1番人数が多いチームらしい。
ラウシャ、ミネルバ、アイリスは深淵所属だけど今は子育てを優先しているので、深緑と行動を共にしているそうだ。
旦那が、深緑のチームメンバーだかららしい。
D、Eランクの若手も居るが、こっちは決まったチーム名はなく、必要に応じてまとまり冒険者の依頼をこなしているそうだ。
分かりにくいが、クラン大地の道標に所属するAランクチームが3つ、Bランクチームが2つ、Cランクのチームが1つとD、Eランクの若手が集まってクランの集まりになるそうだ。
現在の仲間の数がどれだけいるかわからないが、必ずエルフ族の血筋に繋がる者が集まってしまったからか、クラン大地の道標は後にエルフ族中心のクランと知られるようになる。
理由を聞いたら、拐われた者や孤児だった者を保護した結果らしい。
長命種族とあって、増えて行くことはあっても、滅多に減らないからか、かなりの数になってしまったようだ。
1つの場所に、全員が集まらないの?と聞いてみたら隠れ里のような場所をいくつか持っているが、子育て向きの場所ではないので、子どもがいる夫婦は過ごしやすい町を見つけ一時的に子どもが大きくなるまでそこで過ごすらしい。
隠れ里以外のエルフ族の村は?と聞けば、拐われたり出自が他の種族から生まれたエルフだったりすると、排斥されてしまうので外見がエルフ族だろうが、血統が穢れたので差別されてしまうとの事だった。
なんてバカらしいと、思うが生粋のエルフ族にはそれが当然の事だそうだ。
「近親婚の弊害まで、出てるのに」
子どもが生まれない。
流産しやすい。
生まれても早死にする。
身体に、なんだかの障害がある者もいる。
それでも決まりを変えられない。
因習に縛られている。
「ある意味、変化を嫌うのか?」
長命種族ゆえに、絶えず因習が続いているのだろう。
「俺たちの村も、似た様な状況だったな」
ラウシャの旦那さんのアロスが、エルフ族でも出身が違う事でも受け入れない者も居ると話す。
「血統ってなんだろうね」
エルフ族だと、より強力な魔力を持ち魔法を使える者が優遇されるそうだ。
「さて、受け入れないならこちらは自由にするだけだ。レア君の持つ空間魔法を持つ者が我らの中に居れば、より安全性があったかもしれないが、ないのだから仕方ない」
アインスがスキルや魔法が発現しやすいエルフ族でも、空間魔法を持つ者は滅多にいないと話す。
「少し時間かかるけど、経験値倍増のスキル持ってるのでレベルは上がりやすいです」
確か3日ほどで、最初のレベルが上がったのだ。1レベル上がる毎に、一部屋増せる仕様のようだ。
現在、空間魔法レベルは2だが部屋数3つなのは裏技として室内の広さを狭く使う事で、部屋数を増やせたからだ。
「なら、中庭にドア設置したまま解放しておくのはどうだ?」
ガイナスと言うエルフ族に見えない青年が、提案をする。
「まだ検証しきれてないんですよね。出しっ放しでどれだけの魔力を消費するとか、ドア固定出来るとか、鍵持ちと関係なく出入り可能になるのか?レベルが低過ぎて不明だらけです」
レアは分からない事だらけだと、そう話す。
「仕方あるまい。空間魔法は貴重だ。国の上層部に知られると、持ち上げられるかして取り込まれるだろうよ」
ナザレと言うミネルバの旦那さんが、そう告げる。仲間のエルフ族が、空間魔法ではないが稀なスキル持ちで、連れ去られ発見した時には、ある国のお抱えになっていた。
助け出そうにも、隷属されており現在も機会をうかがっているそうだ。
そんな話を聞いてしまうと、何とか助けになるものはないかと思う。
自分の空間魔法の鍵を、もっと増やせたら良いのにと考えてみる。
レベルが低いままでは、やはりダメだろう。
優先するのは、レベルを早く上げる事だろうか?
「空間魔法はやる事が色々あるので、まずは部屋数を増せるか、広く出来るようにするのから始めた方が良さそうです」
おいおい出来たらいいなと、思っているが村を出たエルフ族の状況を聞けば、かなり不安な状況だ。
自ら冒険者になる者は良いが、長命のせいか拐われ隷属されてしまうと、待つのは長い奴隷生活だ。
力が無いのが悪いで、受け入れるしかないのが、この世界らしい。
「どちらにせよ、レアのレベル上げは予定を決めてからだな」
エルフ側は、ラウシャの店の準備が終わり次第と、決まった。
レアの方は、事後処理が終わり蜘蛛の生き餌をどうするかによるようだ。
「この町って、テイムされた蜘蛛はどれだけいるの?」
「統計まではわからないですが、この町出身の冒険者なら、だいたい3人に1人の割合でテイムしてますね」
良く考えてみれば、職人がテイムしている蜘蛛の方が多いと話す。
「蜘蛛糸や、その布の生産に関わる蜘蛛が多いです」
糸蜘蛛のクーは、布は織れないが糸は自在にすきな太さに出来ると話す。
「となると、この店で生き餌の注文してもらって、配達だと料金発生するようにしたらどうかしら?」
店のある建物は、レアの持ち物だ。
蟲の料金はそのままで、損はないが得も特にないが、町の者で生き餌を理解している者が少な過ぎると、ラウシャが言う。
幸いここに居るエルフ族は、みな蟲に嫌悪することはない。
「私たちも、蜘蛛がテイム出来ていたらなお良かったんだけどね」
ナナカの花蜘蛛が、回復魔法を使えると聞いているからか、ちょっと羨ましいとの事だった。
「あーそれ。コイツが、まだマスター欲しい蜘蛛居るってさ。森の奥に行くと、冒険者が来ない中立地帯?あるらしいよ」
どんな蜘蛛かまではわからないが、魔法を使う蜘蛛のようだ。
「魔法使うなら、花蜘蛛系統かな?」
一般に知られている種類を話すが、他にも居るらしいとその辺は曖昧だった。
「魔物のレベルが高く危険が大きいので、物好きな冒険者でないと、奥まで行かないって聞いてます」
レアも、変わった蜘蛛が居るだろうと思っている。
知らない魔物だって、沢山居るのだ。蜘蛛も似たようなものだろう。
「ダンジョンの方は、どうなんだ?」
「ダンジョンには、蜘蛛でないですね。蟻が下層行くほど出るらしいです。ただ10階層くらいまでは、食材になる物がかなり採取できるようで、ギルド前広場の屋台で確認出来ます」
蜘蛛はまだ見かけないが、森にでそうな蟲系魔物から、食肉になる魔物まで幅広いと噂で聞いたくらいと話す。
森に蟲採取行くくらいだったからか、ダンジョンの方は詳しくないレアだ。
「情報収集はギルドで出来るが、ナナカをしばらくレアに付ける。テイムした蜘蛛も居る事だし、蜘蛛に関する情報集めはナナカ担当だ」
アインスが他の者はダンジョン行く準備組と、店の取り扱いなど、やりたい者に任せるようだ。
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