第40話 空間魔法 2

この部屋の使い方確認をしようと、ラルフとエイルに片方が、ドアポストに紙を入れても届いたと言う確認音が聞こえるか、実験してもらう。


「入れた側は聞こえないけど、他の同室利用者には聞こえると」


レアは分かった事を、メモして行く。


「ナナカ、ラルフ達の部屋入れるか試して。2人が先に入る場合と、後から着いて来る場合に、ナナカだけ入ろうとした場合だね」


この空間を作ったレアだと、鍵関係なく入れるのは確認している。


結果は、ナナカだけだと透明な壁があって進めない事と、先に入るのは無理と分かった。

先にラルフ達が入って後に続く時に、この部屋の鍵の持ち主が入れたくないと、そう思う時も入れないと分かった。

部屋の前まで侵入されたとしても、レアか鍵の持ち主が居ないと部屋の中に入れない。


「凄いぞこれ。空間魔法持ちが、どれだけ貴重な存在か分かるな」


知り合いのエルフの中に、空間魔法持ちはいないらしく、ナナカがかなり羨ましいようだ。


「後は、2人に別の場所から個別にここに入って、どちらも入った場所に行けるか後で確認してくれる?」


片方が、森に出かけもう片方が町に居て、互いにこの場所を利用した時に、この空間から出た時にお互いの入った場所に移動出来るかも知りたかった。


結果の連絡は、1のドアポストに手紙を入れてくれれば良いと伝える。


「後、これ魔水。ナナカにも渡してある。この部屋に置いておくといいかな。蜘蛛の魔力減りすぎの時に、飲ませると回復するから」


蜘蛛は町に居る時は、孤児院の蜘蛛の部屋に預けても良いし、無理ならこの部屋に入れてもおける。

レアの方から、お願いもこのドアポストに入れるから、わざわざギルドを通して時間を潰す必要もない。


アイテムポーチから捕虫網や蟲籠と、捕まえる為の道具も取り出す。


「足りないなら言って」


「てか、やりすぎ!」


過保護なまでに、用意が良すぎる。


「蜘蛛に関してだけだから」


レアも採取に行くつもりはあるが、事件に巻き込まれた事で、ある程度先に出来る事を進めておいた方が良いと考え直した。


自分が居ない時でも、大丈夫なようにする為だ。


「この部屋で寝泊まりする準備とか、家具入れたいとか、そっちは好きにして良いから自分でやって。ただ時間経過するから、生ごみになりそうな物の放置は腐るから禁止と、不意打ちで部屋開ける事するかもと言っておくね。これは、不測の事態の時だけかな」


レアが次から次へと言ってくる内容に、理解が追いつかず頷くしかない状態の2人だ。


「とりあえず、採取品の保管場所が出来た事で、町の外に出て戻る時間を気にする必要がないと覚えときなよ」


エイルが、2人で活動するんだし自分のステータ画面からレアの言った事の確認をする。

今までなら、いじれなかった魔法項目に追加機能が増えたと確認出来た。


「蟲は、何匹捕まえれば良い?」


「1日多くて20匹くらいまでかな?種類は任せる捕まえた後、魔水いれてこの中に置いておけば、私の方で取り出すよ。捕獲に慣れるまでしばらくは数少なくても大丈夫かな」


無理なく捕獲出来る範囲と、伝える。

餌がわりに魔水を絶やさなければ、死なないし逃す心配もないので、蜘蛛に捕獲させれば早く終わるはずだ。

2人に部屋の一部の壁を、専用の棚にして蟲籠毎入れて置いてこの棚に入りきらなくなったら、レアのドアポストに手紙を入れてくれれば回収すると伝える。

手紙用に、まだまだ沢山残っているハガキサイズの紙とインクにペンを取り出すと棚に置いて必要な時に使ってくれと渡す。


「分からないなら、次の採取会にまた来れば?私も参加予定だしね。ただ、捕まえない方が良い蟲もいるから、迷ったらテイムした蜘蛛と念話で話し合って」


細かい事を気にしていても仕方ないと、分からないなら、その都度手紙で構わないから質問する事と落ち着いた。


「こっちにも利益はあるから。この空間を利用してもらうほど、空間魔法レベル上がりやすくなるしね」


ここを出入りして利用してもらうだけで、空間魔法のレベルが上がりやすくなるのだ。

今も、見えるステータス画面のスミにある数値が上がっている。

この数値は、2人には見えないようだ。

考えた以上に、早くレベルが上がりやすい。

レアにすればかなりお得だと考えている。

もう少しすればまたレベルが上がりそうだ。


「分かった。なんかあればドアに手紙入れる」


「ここの鍵は、他の人に見つからないように使うのと、緊急時以外では言いふらさないでね」


どこで誰が見ているか分からないし、鍵が自分の手元に戻ってくるとはいえ、駆け出し冒険者が持つ物として本来ならありえないのだ。


色々と渡した手前、紐として使える蜘蛛糸も取り出し、2人に首にかけられるように長さの調整をする。

過保護すぎるかと考えたが、自分がやりたいからしているのだ。


「まぁ、今は部屋狭いけどその内また広くするよ」


出入りだけでなく、居続けるだけでもレベルが上がるようだ。

まだまだ空間魔法のレベルが低いせいか、またレベルが上がった時の音が脳内に聞こえた。

法則性がわからないが、本当どうなっているんだろうと不思議だった。


同じような魔道具の鍵を薬師のマナスルが持っていたが、空間魔法の事を、聞きに行くわけにもいかないだろう。

分かる範囲内で調べるか、直接神様に聞くも有りかもしれない。


「確かにこれは、知られるとヤバイ」


2人とも、馬鹿ではないからレアの言う意味も理解している。

孤児院出身の孤児を助けてくれる者もいるが、利用しようとする大人もいるのだ。

冒険者の場合、後者がかなりいると実体験で知っているので頷く2人だった。


「シスターにも言わないようにね。いちいち話す事でもないでしょ。後はこっちはシスターに、小屋の状況を報告してからナナカの仲間としばらく住む事になるかな」


レアのレベルが低いせいで、また狙われる時に逃げ出せるだけの冒険者レベルを上げる必要があると2人に話す。


「だろうなぁ。お前、良く逃げ出せたよな」


レアが拐われたと、冒険者ギルドに即知らせが入った時に、2人はその場に居たらしい。


犯罪はそう珍しいものではないが、自分達が知る者が巻き込まれたのが初めてだったので、かなり衝撃を受けた。


「クーが居てくれたからね。運良かったよ」


テイムした蜘蛛のおかげで、逃げ出せたと話す。







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