第36話 農牧高等学校
昨日、私はバルセリア
そいつは、只の異国の
その
私は記者だ、私の
その歪みを修正してくれるのが、私の、
此れが、私の特技、『真実の
奴と出合い、奴の事を書いた時、
奴は、
何故だ、
奴は何者なんだ?
奴に興味を持った私は、奴が
勿論、奴が正直に自分の事を話すとは、私は考えて無い、其処で、奴の胃袋を狙う事にした。
胃袋を狙うって、
・・・何だか、彼氏を物にする設定に似てんけど、・・・気にすんなぁあああ!!
此も、仕事、仕事!
私は、屋台で沢山、食い物を買い、其れをバスケットに積めて、駅に向かった。
・・・随分、早く来てんじゃねの、勘違いすんなよ、此れは、デートじゃねぇからな、
私は
「どうかなさいました?」
「あっ、記者さん、早いですねぇ」
此の
「ローシィです!ローシィ・レーランド、ローシィと御呼び下さい。」
私が怒ったので、
今度、名前、言わなかったら、許さんからな!
じゃ、行くぞ、
ん、何だ、何してんだよ、お前、
「あのー、此の
・・・
はぁあああああああああ!!!
お前、
「俺ってさぁ、その、遥、東の
・・・
こいつは、馬鹿か?
逸んな、アホ設定、一体、誰が信じんだよ!
私は、奴に言ってやった!
「じゃ、此処まで、どうやって来たんですか?」
奴は焦って、
「い、いやぁ、船!、そう船に乗って!!」
また、穴だらけの設定!
馬鹿にしてんのかあ!!此のアホがぁ!!!
じゃあ聞くが、
「その船は、何処の港に着いて、その港から、此処までは、どうやって来たんですか?」
奴は、更に焦って、
「あっ、そう、歩いて!俺、歩いて、此の街まで来た!!」
ダメだ、頭が痛くなってきた、此処は、大陸の中央だぞ!
歩いてなら、もう少し、常識が分かるように成るだろうがぁああ!!
だから、私は、
「歩いてですか?空を飛んだんじゃ無くて、」
と、もう遠慮無く、彼に言う!!
お前は、その東の国から飛んで来た、違うのか!!!
彼は汗かきながら、必死に、
「イヤだなぁ、ローシィさん、こんな太っちょが、空、空を飛べる分け無いじゃん!」
確かになぁ、でも、その姿、嘘なんだろ、何か分けがあんだろ、
もう良い、後で、もう少しましな設定考えてやるから、
私は、彼の変な設定を聞くのは止めて、彼に
彼は、子供のように喜んで、
「
・・・
あまりのつまらなさに、言葉が出なかった、
私は、彼に、
彼は、私達の世界について余りにも、無知だ!
其れはまるで、彼が別の世界から突如、私達の世界に来た、そのような存在に見える。
別の世界の住人、
だから、彼は自分の姿を偽っているのだろうか?
其とも、もっと別な理由が有るのだろうか?
どちらにしても、
彼の此の世界の無知は、彼に取っても、不利に働くし、彼はその事を知ってる筈だ。
ならば、彼に私達の世界の情報を提供する事は、彼との取り引きの材料に成るんじゃないのか?
私が、欲しいのは、彼の世界の真実。
私達は、
其処で、私は、用意したバスケットを開けながら、彼に座るように促し、彼に、『
「・・・スグルさんに、ちょっと、お願いが有りまして、出来るなら食事をしながら、穏やかにお話をしたいなぁ、と思いまして、」
私の、最高の営業スマイルを彼に向けながら、私は、彼に話し掛ける。
彼は、警戒心を出すが、食欲に勝てないのか、私が用意した
「その願いってのは?」
と、私の話を聞こうとしてきた、
狙い通り、彼は食い物に弱い!!
あっ、また、
おっと、彼の食欲に見とれている場合じゃない、私は、直接的に彼に訴える事にした、
「記者は、記事になる
もう、一息、
「勿論、
此で、どうだ!
条件は、悪く無い筈だ!!
彼は、思ったより慎重だ、私が信じないとか、自分が嘘をついたらどうなんだ、と聞いてきた、
だから、私は、彼に言った、貴方の話を信じるか、信じないかは、嘘か
彼は、暫く考えた後、条件付きで私の提案に乗ってきた。
その条件とは、記事を発表する前に、自分に読ませろ、読んでその内容が気に入らなかったら、発表するな、と言ってきやがった。
・・・こいつ、やはり、只の
更に、あの体格が本当なら、荒事にも慣れてるかも知れない、
さて、どうする、私、奴の話が面白かったら、記事にしたく成る、其が発表出来なくちゃ、記者じゃねぇ、
記事の差し止めは認める分けにはいかねぇが、
・・・
まぁ、そん時は話合いかな、
「良いでしょう、私も
そして、私は、契約書を作成して、彼に渡した、
契約書を手にし、彼が読み上げた、
『結婚に関する同意書』
!!!!!!!!!!!!!!!!
ばっ、ばっ、、バカ野郎!!!
ちぃ、ちぃ、違うだろうがぁああ!
「ちぃ、ちぃ、ちがあああああああああううううう!!!
私は、
やべぇ、顔が赤くなる、
ちぃ、こいつ、
もう、こいつに気を使うのは、止めだ!!
本当に、疲れる。
私達は、一時間程して、広大な牧場の中に有る、
車中での、彼の話しは、私の想像を遥かに越えていた。
彼は、電子と空気と呼ばれる魔素が充満している世界から来たと、私に教えてくれた。
イメージとしては、ポワジューレ共和国に似ているが、ポワジューレよりも、ずうっと進化しているような気がする。
そして、私は、彼が12日前に私達の世界に来た事を知った。
彼は、何故、此の世界に来たか知らないと言う、気が付いたら、湖で溺れそうになり、必死に泳いで岸に上がり、その日は牧場の小屋で野宿してから、バルセリアの街迄、歩いて行ったんだそうだ。
・・・
12日前の牧場と言えば、殿下の船が落下した前の日、
こいつと殿下の船の落下は、何か関係が有るのか?
私は、その事を彼に聞いてみたが、
知らなかったなぁ、と言いやがる。
こいつ、絶対、知ってる、何か隠してる、私は、そう確信した時、
バルセリア
各種施設も充実している、スグルは野菜の種や苗を買う為に此の
普通、街の中の移動は、
奴は、歩いて行きたいと言い、
私は、えっ!
私が、
ちょっと待て!!
手を、簡単に握るなあぁあぁ!!
てっ、てっ、照れるだろうがぁ!
と、私は心の中で叫んでいた。
歩きながら、スグルは子供のように、私に色々な事を聞いてきた、
此の
此のウェルド公国の事、
彼は、本当に嬉そうに、私の話を聞いていた、
そして、スグルは牧場で
私は、この
急いで、全力で、否定した!!
逸んな、他愛ない会話をしながら、三十分位、牧場の道を歩くと、
そして、其処で、私は、スグルが本当に異世界人である事を知った。
彼は、
「パンが木になってるよ!!」
スグル、其れは、パンって名前じゃない、
「成る程、作りは果樹棚と同じって分けだ。」
果樹棚?
スグル、お前が
此方迄、恥ずかしくなるだろうがぁあ!!
此処は、
スグルは、いろんな
スグル、その言い分け、無駄だ、
此れは、スグルから後で聞いたのだが、スグルの世界でも
『パン』は、『麦』と言う草の実を砕いて粉にした物に、水と塩を混ぜて、『イースト菌』と言う魔素が『発酵』と呼ばれる魔導術で作るんだそうだ、そして、我々の
其処は、我々の方が優れていると、彼は言っていた。
確かに、
だから、
スグルはこんな小さな農園を見て驚き、感動している、もし、彼に、我が国の地平線まで続く
夕陽の美しい
彼と二人で、その
私は、
えっ!
何、考えてんだ!
私!!!!!!!!!
こんな、魅力無い、異世界の
そして、
彼が、草花の種と幾種類の
其れは、起きた、
ドガッ、ドガッ、ドガガガガ!!!
「
彼は叫んだ!!!
私は、直ぐに牧場の方を見、
私が目にした光景は、
牧場の地平線に、沸き上がる黒い波!!!
遅れて、来る津波のような轟音!!!
私は、恐怖で体を動かす事が、
出来なかった!
「大丈夫だ、」
えっ?
優しい、暖かな手が、私の肩に置かれ、
「此を、頼む、」
私の手に苗と種の入った袋が!
「スグル!」
彼は消えた!
私の目の前から、
私は、直ぐに、胸ポケットから、
『彼は草原を疾走する、蒼みがかった黒髪が
何なんだ、此れは一体!!
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