第35話 魔導汽車
公都の記者さんと、明日、
一応、上司の
エルさんは、驚いて、俺は、休んでちょっと雑貨とかいろいろと必要な物を買うんで、だから休むって事をエルさんに話し、なぜか、公都の記者さんについての話しは、
彼女には言えなかった。
俺は、まだ、彼女の心を傷付けた事を気にしているんだろうか?
しかし、今の俺には金無いし、給料もまだ先なんで、仕方無いから、二千年前のルーナから貰った金貨を、一枚、売ることにして、前に金貨を売った店に、夕方行った。
金貨は、前回と同じ、二十五万
4月2日、俺は一張羅の古着を着て、8時に宿舎を出た。
途中、路上の店で、
駅からホームに入る入り口は、一つで、別に駅員がいる分けでも無く、皆、自由に乗り降りしているように見えた。
?
どういう、仕組みなんだ?
「どうかなさいました?」
えっ?
振り替えると、昨日の記者さんが、俺の後ろにいて、俺に声を掛けて来た。
彼女は、昨日のスーツ姿に右手には
「あっ、記者さん、早いですねぇ」
記者さん、ちょっと怒った口調で、
「ローシィです!ローシィ・レーランド、ローシィと御呼び下さい。」
「えーと、すみません、ローシィさん」
俺は素直に謝った、まぁ、名前を覚えて無い、俺が悪いし、
彼女は機嫌を直して、
「じゃ、行きましょう、スグルさん」
行くって、
どうやって、行くんだ?
「あのー、ローシィさん、ちょっと聞いて良いですか、」
彼女は、はぁー?ってな顔で、
「何をですか?」
「あのー、此の
「はぃ???」
やべーぇ、彼女、驚いてるよ!!
「ええと、まさか、スグルさん!
乗った事ねぇよ!俺、まだ此方来て10日だよ!!乗る分け無いじゃん!
取り敢えず、何時もの言い訳、
「俺ってさぁ、その、遥、東の
だいたいの人は、此の説明で納得するんだが、
「じゃ、此処まで、どうやって来たんですか?」
えっ?
「い、いやぁ、船!、そう船に乗って!!」
「その船は、何処の港に着いて、その港から、此処までは、どうやって来たんですか?」
ええええっ!!!
「あっ、そう、歩いて!俺、歩いて、此の街まで来た!!」
「歩いてですか?空を飛んだんじゃ無くて、」
えええええええっ!
俺! 汗かいてきた!
俺は、太ってる自分を指しながら、
「イヤだなぁ、ローシィさん、こんな太っちょが、空、空を飛べる分け無いじゃん!」
「・・・」
なんだ?ローシィさん、俺を見てるその目は!!
「・・分かりましたスグルさん、
やっと、説明してくれるんだ。
ローシィさんは、大勢の人が集まって何かしている方を、指しながら、
「彼処で、
あっ、成る程、
「
「・・・・」
「すみません、つまんないシャレです。」
俺、ローシィさん苦手かもしんなぃ。
ジョークが滑った俺とローシィさんは、その人だかりが出来ている駅の壁の方に行き、
壁には、大きな
ローシィさんが、
「此の、
確か、朝飯買った時、500
「大丈夫、俺、持ってますから。」
俺は、ポケットから500
その瞬間、文字に触った、右手の甲に、青い魔導回路が浮かび、その上に15、9、3と表示された。
なんだ、此れは?
「驚いていると言う事は、スグルさんは本当に
ローシィさん、だから、さっきから初めてだって言ってるじゃない!
「いや、本当に乗った事無くて、冗談だと思った?」
ローシィさんは、何か納得したような表情で、
「はい。」
当然か、普通は冗談だと、皆、思うだろうし、
「でっ、ローシィさん、此の数字の意味は何なんです?」
「其れは、『
「あっ、そう言う事、」
何か、ローシィさん、説明が少し丁寧になってない?
彼女は、改札の方に向かいながら、
「じゃ、スグルさん、もうホームに入れる筈ですから、行きましょう。」
そう言う仕組みなんだぁ、しかし、此の魔導術を真似して
俺は、其の事を彼女に聞いてみた、
ローシィさんは首を振りながら、
「魔導工学で作られる、此の国の
「其れに、魔導術で、複製するには、上級魔導士じゃないと無理ですし、上級魔導士は協会から無料の
ローシィさんは、そう言いながら、改札を通り、俺も其の後に続いて、改札を通った。
あれ、そう言えば、ローシィさん、
俺の考えを予測したのか、
「ちなみに、私は、記者協会の
彼女は、そう言って、俺に右手の甲を見せると、右手の甲に赤い魔導回路が浮かび上がった。
そう言う事か、記者さんだから、直ぐに乗ったり降りたりするし、
確かに、車が無い、此の世界では
3番ホームには、既に一両の客車が繋がった
「ローシィさん、乗らないんですか?」
彼女は、頷きながら、
「ええ、私は、一応、記者なので、車内で仕事をする事を考えて、個室にしてます。」
個室?
「
ローシィさんが、俺に説明した後、
ローシィさんは、後からきた方の客車に乗りながら、
「
個室専用客車は片側通路タイプで、窓の反対側に個室がならんでいる、個室のドアの脇にスリットが有り、
ローシィさんは、右手に持っている
開いた入り口から彼女は個室に入り、俺もローシィさんの後から個室に入った、
その時、俺の右手の甲の
「此れは?」
ローシィさんは、対面型の上品なソファに座りながら、
「此の部屋が、貴方と私の
そう言う仕組みなんだ!
俺は、もう1つ、彼女に聞いた、
「さっき、何で、あのスリットに
彼女は簡単に、
「個室の使用料を払ったんですけど?」
えっ?
「その様子だと、御存知無いようですね、失礼ですが、スグルさんは
これ、ウェラさんにも聞かれたな、
「俺、東の辺鄙の出身だから、持って無くて、買おうかなぁと思ってます。」
その時、右手の
ゴトン、ガタン、ゴトン、
「取り敢えず、スグルさん、座りません、此の個室は、『
ローシィさんが、俺に対面のソファに座るように勧めてくれて、テーブルには、御茶が入ったカップが置かれていた。
「あっ、どうもすみません。」、
俺は、そうローシィさんに言って座った、
彼女は、バスケットをテーブルに置いて、そのバスケットを開くと、中に
えっ?
どう言う事だ?
「お腹空きません?一つどうですか、」
この人、一体、何考えてるんだ?
俺は、ちょっと警戒し、
「ローシィさん、此れは、どう言う事ですか?」
彼女は表情を変えず、
「・・・スグルさんに、ちょっと、お願いが有りまして、出来るなら食事をしながら、穏やかにお話をしたいなぁ、と思いまして、」
・・・彼女は、今の俺が食い物に弱い事を、知ってるって言いたい分けか?
俺は、バスケットの中の
「その願いってのは?」
彼女は身を乗り出しながら、
「スグルさん、私が、公都の
「ああ、最初に其れを聞いた。」
俺は返事を返しながら、もう一つ
「記者は、記事になる
俺が、ローシィさんに記事に成るネタを提供する?
「勿論、
確かに、俺は此の世界の事、魔導術の事等、知らない事が多すぎるし、多分、此のままじゃ、何れ俺の、この世界での生活に問題が起きる事は間違い無い、
だから、ある程度俺の事を理解した上で、俺に色々な事を教えてくれる協力者は欲しい。
さてと、どうする、俺。
「・・・多分、君は、俺の話が余りにも荒唐無稽だから、信じないと思うんだが、」
ローシィさんは、真っ直ぐ、俺を見ながら、
「貴方の話を信じるか、信じないかは、私が決めます。」
兎に角、話をしろって事?
ならば、逆に、
「仮に、その提案を俺が承諾しても、俺の話す内容が、嘘だったら、」
ローシィさんは、表情を変えずに、
「嘘か本当かも、私が判断します。」
・・・
成る程ねぇ、此が、プロの記者って奴ね、
俺はもう一つ
「分かった、但し、一つ条件が有る、」
「条件ですか?」
「記事を発表する前に、その記事を俺に読ませてくれ、そして万が一、俺の知っている人に迷惑が掛かるような記事なら、発表は止めて欲しい。」
ローシィさんは、暫く考えた後、
「良いでしょう、私も
そう言いながら、彼女は
「此れは、貴方と私が、お互いの情報提供に関する条件の契約書です、字は読めますか?」
契約書?
「一応、簡単な単語なら、分かる、ええと、『結婚に関する同意書』」
彼女は真っ赤な顔で、
「ちぃ、ちぃ、ちがあああああああああううううう!!!
えっ、そうなんだぁ、確かに、おかしいと思った、
「お前え、
おっ、此が、彼女の地か、
「嫌だなぁ、ローシィさん、俺、東の田舎の出身だよ、ちょっと間違える事、有るって。」
彼女は、赤い顔で、
「良いから、早く読め!!!」
契約書には、俺が彼女に情報を提供する事に対して、彼女は其れを記事にする事が出来る、その記事は、必ず、事前に俺が内容を確認する、
その内容に、俺が同意出来なければ、お互い、話合いをする。
そう言う、内容だった。
・・・成る程、そう言う落とし処って分けだ、彼女は記者だから記事にはしないとは言えない分けで、だから話合ね。
「分かった、話合いで行こう、で、どうするんだ?」
彼女は
「その文に触るんだ。」
彼女は、あれから、地のままだ、
俺は黙って
「えっ?」
「其れは、個人と個人が簡易的に契約をする
此れは、後でローシィさんから聞いたんだが、大きな契約等の場合はお互いが、専用の契約用の
簡易の場合は、お互い普通の
だから、
ちょっと、嫌だ、やっぱり、早く俺専用の
そう、ローシィに相談したら、
結構、好い人だ。
まぁ、逸んな分けで、俺は、此の世界で始めて、俺を支援してくれるかもしれない人と出会った事になる。
しかし、彼女との契約は、果たして良かったのか、どうかは、今の俺には分からなかった。
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