第20話 魔導図書館
星の力が、廻りに変な影響を与えている事を知った俺は、『
逸れにより、エルさんも、先生達も、学長も、俺に興味を失い、俺は学校の中で、一人、孤独になった。
・・・ちょっと、寂しい。
だが、星の力でモテてもなぁ。
やっぱり、俺の本当の魅力ってのを理解してくれる娘に、好きになって貰いたいし、
なんて事を考えながら、その日の俺は、相変わらず、此の学校の残った場所を掃除していた。
明日は、入学式が行われて、新入生と新しく進級した生徒が来る、
此の学校の生徒は、だいたい、近くの子供達が半分、遠くて通えないから、此の学校の寄宿舎で暮らす子供が半分の構成になっているそうだ。
昔から、此の地区の子供達は、牧場主や農家の子供が殆どで、皆、お隣の
教魔省が学校を管理し始めた時、此の付近の子供達だけだと定員割れするので、遠い子供も受け入れするように寄宿舎を教魔省の予算で作ったんだそうだ。
また、先生達も基本は、教魔省の職員だから、転勤や移動があるので専用の宿舎が有る。
その、先生の宿舎と生徒の寄宿舎は、校舎と同じビクトリア調の三階建ての建物が、校舎の西側に複数棟建っている。
勿論、各部屋の管理、清掃は部屋を借りてる生徒や先生の責任だから、俺は掃除はしないが、共有のホールや廊下の掃除は俺の仕事だ。
生徒は、明日の午前中に、学校に来る、そして、午後から入学式と、授業が始まると、エルさんは言っていた。
流石に寄宿舎に宿泊する子供は、その両親からお金を貰うらしいんだが、そこで、儲けようとした学校があったから、教魔省が宿泊費を決めてしまって、今では、全然、儲からないんだそうだ。
殆ど、ボランティアだと、これも、エルさんが言ってた。
そして、此の場所には、学校には、必ず有る、図書館が建っている。
その図書館は、やはりビクトリア調のデザインの二階建てで、スッゴーく大きい、
此もエルさんから聞いたんだが、此の図書館は、旧王国時代からあって、王国時代から集めた、魔導学の蔵書数では、公国一の規模なんだとか、
あの学長も、此の図書館の魔導学の図書が目的で、此の学校の学長を引き受けたらしい、
図書館は休み中は、閉まっていて入る事は出来なかったんだが、今は、管理する先生が来ているので、入る事は出来る。
俺は、大きな木製の両開きのドアを押して中に入った、
「こんちわっす、掃除に来ました。」
図書館の受付には、白髪の美少女が、
・・・
「なんだい、婆さんがいるって顔してるね。」
まぁ、美少女なんて居るわけは無く、
受付カウンタに座っているのは、白髪の上品なお婆ちゃんだ、
名前は、エルさんから聞いて知っている。
ウェラルダ・ウォーレン女史、
皆は、ウェラおばちゃんと呼んでいる。
此の人は魔導図書学の先生で、教師をしている傍ら、一人で此の図書館を管理しているんだとか、
エルさんは、本当は此の規模の図書館だと、二~三人の司書が必要なんだけど、そうすると、本が買えなくなるから、先生が一人、頑張ってるいるんだとか。
そのウェラさんが守っている図書館を、一言で言うなら、
幾多の時を経て、多くの人が大切にしてきたからこそ、初めて生まれて来る本当の美しさが有り、
此の図書館、はその美しさを、見事に表現している、
そんな、図書館であった。
図書館の入り口にカウンタが有る形式は、前の世界の図書館と同じだが、内装は、床は毛が深いカーペットに木目調の腰壁と白い壁の、ビクトリア様式が、落ち着いた、美しい図書館を演出している、
入ったエントランスは吹き抜けで、其処から、オプーン曲線階段で二階に行けるようになっていた。
壁には、びっしりと本らしき物が、並んでいる。
俺は関心して、
「流石に、綺麗っすね、まぁ、床を掃くぐらいしか、やるとこ有りませんねぇ。」
と、俺は此の図書館を誉めた。
実際、本当に掃除しなくても、
ウェラさんは嬉しそうに、
「当たり前だよ、スグルちゃん、此の
・・・スグルちゃん、
まぁ、いいか、
「流石ですね、ウェラさん、処で、俺も、此の学校の職員になったんで、本を借りる事、出来んの?」
ウェラさんは、またまた、嬉しそうに、
「おやおや、スグルちゃんは、本に興味が有るのかい、まぁ、禁書と管理図書、以外なら、一般職員のスグルちゃんでも見る事は出来るよ、」
その後、ウェラさんは、あってな顔して、
「だけど、スグルちゃん、スグルちゃんは
? アルバイト? また分かんない単語が出た、
「いや、アルバイトはして無いよ、今は、此の仕事だけ、」
ウェラさんは、?ってな顔して、
「何、バカな事、言ってんだい、アウル・バーデ!
降参、わかんねぇ、
俺は、正直に、
「ウェラさん、ゴメン、俺さぁ、そのアルバイトも無い、遥か東の辺境の出身なんだ、だから、アルバイトが、何だか分からない。」
ウェラさんは、えっ、てな顔して、
「やれ、やれ、
そう言いながら、ウェラさんはカウンタの引き出しから、黒い、厚さ五ミリでA4サイズ位の板を取り出した。
「此が、
しかし、俺は、一体、後、何回、此の展開をやんなくちゃなんないの、と思いながら、その黒い板を手に取った。
「結構、軽いんですね。」
ウェラさんは頷きながら、
「まぁ、
俺は、その
「此れ、どうやって使うの?」
とウェラさんに聞いてみた。
ウェラさんは、優しい笑顔を浮かべながら、
「その
俺は、ウェラさんに勧められて、
えっ!
俺の目の前に、一人の美人が現れた、彼女は
『さぁ、今日は、皆様に
此れって、
ウェラさんは、驚いている俺を見て笑顔で、
「どうだい、綺麗な御姉ちゃんが現れたただろ。」
俺は、首を立てに振りながら、
「現れた!スッゲーぇ、美人さんが俺の目の前に現れた!此の人誰?」
ウェラさんは、分からんってな顔して、
「確か、公都では有名な役者さんだったかな、それは、子供達に
・・・此が本?
・・・本、あのぉ、文字が書いてる本は何処?・・・無いの?
此の世界の本って、
違うんだ!
文字じゃねえーんだ!
前の世界の本じゃねえーんだ!
美人の御姉ちゃんが解説を始めた、
『
『
もしかして、『
しかし、ありゃ相当固いから、加工出来たか?
となると『
此れ等は、当時の俺達にとっては、何の役にも立たなかったから、『
此の時代の人は、『
本当に、此の世界は
『
になっちまった。
まぁ、ガキだとは言え、一応、『
有難い、恩恵が有る分けだ。
俺の目の前の美人ちゃんは、俺の気持ちも御構い無しに喋り続ける。
『此の
『
俺は、二千年前の、魔人達との闘いを思い出した、
確かに、奴は人の心を操った。
『
『
って奴だ、
知能の高い上位の魔人は、その力を借りて、人を操った。
たぶん、その力が魔導術では『
『500年前、その性質を利用して、魔導機の発明家、オルガ・ラーマスが
成る程、そう言う原理か、
『
すげーぇじゃん、つまり此の作者も優れた作家って事だ、
此の世界は、前にいた世界のような、漫画、小説、映画のような娯楽も、全て、此の
『また、300年前の
『こうして、今では、魔導回線で直接、各家庭に作品を届ける、
俺は、此処で、
ウェラさんは嬉しそうに、
「どうだい、
俺も、ウェラさんに頷きながら、
「ウェラさん、確かに、
確かに、凄い、人が此処まで『
此を、俺も使いこなせば、少なくとも、
俺は、ウェラさんに聞いて見る事にした、
「ところでウェラさん、
その事を言った、瞬間、ウェラさんは凄い顔して、俺を睨んだ、
? 何、何かいけない事、俺、言ったか、
ウェラさんは暫く俺を睨んだ後、ため息を付きながら、
「やれやれそんなに簡単に言って、そう言えば、あんた、遠い異国の人だったね、知らないのも無理無いわなぁ。」
ウェラさんは真剣に、俺を見詰めながら、
「良いかい、世の中で勝手に『
えっ犯罪!
禁止されてんの!
そう言えば、あのマーキが俺の事、コイツは本当は醜い、
あの時は、たいして気にしてなかったけど、
どう言う意味だ?
「・・・良くわかんないなぁ、だってウェラさん、此の
ウェラさんは、
「スグルちゃん、
えっ、飛竜のマーク?
確かに、此の
「確かに、変な模様が入ってる。」
ウェラさんは、頷きながら、
「其はね、スグルちゃん、魔導省が
えっ、それって検閲されてるって事!
エロいの、此れで見たらヤバくねぇ!
俺は、だんだん此の国の事情が分かってきた、
「なんで、其処まですんの、たかが、娯楽じゃないか。」
ウェラさんは、俺を
「スグルちゃん、『
流石、ウェラさん、教師だから、俺に教えようと疑問を投げ掛けてきた、
「まぁ、確かに嫌だなぁ、」
ウェラさんは厳しい顔して、
「嫌だけじゃすまないのさ、そいつがスグルちゃんに死ねって命令したら、スグルちゃん、あんたは喜んで死んじゃうんだよ!!」
えっ!
人が死ぬって、
そんな事が可能なのか?
おぃ、二千年前の、
無かった筈だ、そんな力があったら、『星の大国』は、簡単に滅んだ。
どう言う事だ?
・・・
待てよ、
確か、神が死ねっていたら、死ぬ、それって、前の世界じゃ
殉教!!!
って言わなかったか?
殉教の原因って、信仰心だったよなぁ、
つまり、その神の信仰心の深さだ!
俺達の『星の大国』は、『
だけど、此の世界の人々は違う、此の世界は『
だから、『
ウェラさんが、俺に話を続ける、
「
ウェラさんは、遠くを見るように、俺に語る。
「その危機を救ったのが魔導省の英雄達、彼等は己の命を犠牲にして、此の国を救ったんだ、それは、壮絶な戦いだったと、今でも言われているんだよ。」
違法魔導士、確かに、その言葉は良く聞く、
「その事件は、世界を震え上がらせた、世界中で、個人が、『
・・・成る程ねぇ、うん、良く分かった。
「今、『
つまり、長くなったけど、簡単に言えば、俺は『
「良く分かったよ、ウェラさん、確かに、『
ウェラさんは、少し安心した表情で、
「此の館内でなら、その
俺は、一言、
「コーリン・オーウェルについて、」
ウェラさんは、えっ、てな顔して驚いた。
此れだよ、此れ、何で、皆、俺の名前で驚くの?
忘れてるかも知れないけど、俺の名前は、
コーリン・オーウェル!
此れこそが、俺の本当の名前、
そして、何故か、此の名前を言うと皆、ビックリする、
何故なんだい!
俺は、その謎を知りたくて、
此の図書館に来たんだが、
やっと、其処にたどり着いた、
分けで、
そして、俺もビックリする事実を知る事になった。
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