第5話 僕の夢のマイホーム…… (4)

 まあ、当たり前だけれど……。山口さんの僕への告白染みた言葉に呆然と言うか? 自身の顔が緩んできた僕だけれど……。取り敢えずは、自身の心の中で、『落ちつけ僕! も、もしかすると? 山口さんの冗談かも知れないから? ここは平然を装うのだ。わかったね……』と、何度も唱えて平静を装うように努力をしたのだよ。


 でッ、その後は、自身の顔を上げ山口さんの方へと視線を変える。


 う~ん、でも、彼女と目と目が合うと──二人揃って真っ赤なお顔になっちゃったよ~。


 ど、どうしよう~? 僕も山口さんも緊張……照れてお互いの顔が真面に凝視できないでいる。


 まるで? 僕と山口さんはお見合いをしているように……。


 その後僕達二人は少しばかり、俯き沈黙……。目と目が合う度にお互いがお猿さんのように真っ赤になり、沈黙を繰り返したのだよ。


 う~ん、でも、このまま、僕達二人は無言を続ける訳にもいかない。


 だから男である僕が山口さんをリードしなければと思いながら。


「あの~、山口さん~。一階のスペースを店舗にした場合は、予算的にどれくらいになるのでしょうか~?」


 取僕は取り敢えず、家の購入の件へと話しを戻したのだよ。そうしないと多分? 僕がこの会社を出た後に、山口さんは上司の人に、『山口お前ぇえええっ! 大きな声を出していたようだが? 今迄お客様と何をしていたぁあああっ! お前は真面に商談すら出来ないのかぁあああっ⁉ この大馬鹿者めがぁあああっ!』と、怒号を放たれながらお叱りを受けると思うのだよ。


 僕自身も今勤めている会社では、営業を担当しているから、何となくわかる。


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