第4話 僕の夢のマイホーム…… (3)
「あ、あの~、実は僕……。彼女もいないのですよ。本当にすいません……」
僕はね、山口さんに、真っ赤な顔をしながら、奥さんもいないが彼女もいないのだと説明をしたのだよ。多分、その時の猿顔の僕の顔は、更にお猿さんに似ていたと思うくらい、赤な顔をしていたと思う?
まあ、そんな赤面している僕の顔を見て、美しい山口さんは、作り笑いをしながら……ではなくて。
「えぇえええっ! 嘘でしょう~? 山田さま~?」
彼女は大変に驚愕をした表情で声を大にして叫んだのだよ。
山口さんが勤める不動産会社の、商談室から声が外に漏れるくらい。
だから僕は恥ずかしくて仕方がないから、山口さんの顔も真面に凝視できないから、今度は俯き加減になる……。
そして更に、自身の顔をお真っ赤にしながら。
「ほ、本当です……。す、すいません……」
と、言葉を返した後に、もう嫌だ。こんな営業がいる不動産会社から早く出たい……。絶対に二度とこんな会社にくるものか……。他の不動産会社に見積もりを訊ね、依頼しようと、自身の心に固く誓うのだった。
僕がね、こんなことを脳裏で思っていると。
「またまた、山田さまは、御冗談を~?」
彼女はね、笑みを浮かべながら、今度はこんな失礼なことを僕に訊ねてくるのだよ。彼女、本当に人の気持ちがわからないと言うか? 彼女自身が、容姿の方が大変に良いから高飛車なのかも知れないが?
彼女いない歴年齢である、アラサー男の僕のことなど放っておいて欲しい……。
と、思いながら。僕自身も彼女の態度に不満を募らせ我慢できなくなってきたので。怒りをあらわにしながら机を叩き、『もう、いい加減しろ──! わしや~、帰る──!』と、怒号を放ちながら席を立とうと試みようとしたら。
「山田様~、彼女がいないなんて勿体無い……。こんなにも容姿の方がいいのに……。それこそ? 私の好みで、立候補したいぐらいですよ。山田様の容姿は……」
憤怒して怒りをあらわにしている僕に対して、いきなり山口さんの口から。僕の容姿が彼女の好みだと声が漏れてきたのだよ。
だから僕の口からは、「えっ?」と、しか言葉が漏れてこない。
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