ファンタジー
氷の女帝の涙
Twitter300字SS第29回お題「氷」より(300字、改行含めず)
かつて「氷の女帝」と呼ばれ恐れられた女性の治めた国があった。
幼い頃から「女でも強く正しくあれ」と育てられた彼女は、その言葉通り、どんな小さな悪でも許すことなく、間違いを犯した者を捕らえては、例外なく斬首に処す冷酷な女帝となった。
しかし歴史に例外はなく、彼女の所業も民衆の反感を買い、その後反乱によって国は一夜で滅びた。
諸悪の根元として捕らえられ、民衆の前で斬首となった女帝は、その最期の瞬間まで「氷の女帝」の名に恥じることなく、涙を見せるどころか、その表情すら変えることはなかった。
ただ異聞として、生き残った女帝の側近の言葉が残っている。
「氷の女帝を解かしたのはただ一つ、亡き夫の求婚の言葉のみ」と。
【了】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます