源三郎江戸日記(弟五部)
源三郎江戸日記(弟五部)30 それでは刺客を送るのはやめぬと言う事かと言うと、多分わたしが死ぬまで送り続けると思いますと言うので、なぜお伝の方が隠密とわかったのじあと聞くと、それがし
源三郎江戸日記(弟五部)30 それでは刺客を送るのはやめぬと言う事かと言うと、多分わたしが死ぬまで送り続けると思いますと言うので、なぜお伝の方が隠密とわかったのじあと聞くと、それがし
源三郎江戸日記(弟五部)30
それでは刺客を送るのはやめぬと言う事かと言うと、多分わたしが死ぬまで送り続けると思いますと言うので、なぜお伝の方が隠密とわかったのじあと聞くと、それがしの妻は城下で、
両替商と飛脚問屋を商っていた白木屋新八の娘で御座りました、はやり病で死んでしまいましたが、新八が呉服屋の主人宛に、白井白石から飛脚便が来て、呉服屋主人も新井白石宛に、
返事を送っているが、
新井白石と言えば上様お抱えの学者のはずだが、宇都宮の呉服屋風情が幕府の重臣と、付き合いがあるのは不思議だと言ったのでござる、幕府の重臣と繋がっているとすれば隠密かも、
しれぬと思い、それとなく監視していると、お伝の方が寺参りと称して父親に寺で会っているので、父親なので宿下がりをすれば良いはずなのにおかしいと思うたので御座る、床下に、
もぐりこみ、
話しを盗み聞きしたところ、こんどは柿崎村の税を引き上げてくれ一揆を扇動するので主謀者を磔り付けにすれば、治世不行き届きで咎める事が出来、新井様が喜ばれると話していた、
のを聞いたのです、いままでの政への口出しは、宇都宮藩を改易するために、無体な事をやらしているのだと分かったので、殺害する機会を待っていたのです、花見なら廊下で待ち伏、
せできると思い、廊下で待ち伏せて殺害したのです、
闇討ちにしなかったのは、相手は隠密です確実に討ち果たせる場所を選んだのと、城中で向ってくれば武芸の心へがある事が知れて、素性を暴く事が出来るかも知れぬと思うたからです、
しかしおとなしく刺殺されました、刺す時に笑っていましたが、なぜなのかは分かりませんと言ったのです、それは最後まで正体を知られない為だろう、側室を藩士が殺めた事が幕府に、
知れれば、
詰問されるし、この場合の新井と間部の目的は改易に追い込むのではなく、若年寄に昇格させない理由を作れば良かったのだよ、所詮忍びは使い捨てじあからな、いざとなれば秘密を守、
る為に自害するように洗脳されているのじあよ、中田は自分が殿に献上したので隠密だった事が発覚するのを恐れて、刺客を送り込んだとすれば、最近になって誰からかその事を聞いた、
事になるが、
それを誰かに話したのかと聞くと、いや誰にも話しておりませぬ、ご老中に話したのが始めてで御座ると言うので、後知っているのは新井と間部だが今頃中田に話して何の得があるのじ、
あろうというと、江戸にて中田を付け狙いましたが、出掛ける時は籠で、護衛の藩士を従えていましたので、機会がなかったのです、水戸家には頻繁に出入りしていましたと言うので、
そうか水戸家の家老藤田監物だな、間部は上様から罷免されたので、藤田監物が近づき、お伝の方の殺害を間部から聞いたのかも知れぬ、藤田監物は中田に教えて内紛を起させて戸田殿、
を引きずりおろして、上様に打撃を与えるつもりなのかも知れんな、中田に聞けば分かるであろう、それが謀略とすれば中田はそなたに刺客を送り込むのはやめるじあろう、わしが話し、
てやると言ったのです、
そなたはここでおとなしくしているが良いと言うと、小料理屋を出て今津屋に行き、諸国巡察視の村上源三郎じあ、主人はいるかと聞くと、奥から今津屋膳衛門に御座います、こちらに、
どうぞと言うので、奥桟敷に座ると、そなたは国家老の中田と親しいようじあがと聞くと、宇都宮藩の御用達なれば親しくさせてもらっていますと言うので、戸田殿は老中職になり何か、
と金寸がいるじあろう、
いくら貸し付けしているのじあと聞くと、3万両に御座います、徳政令では借財はそのままで良いが利息を半額にしてくれと頼まれましたので年5分としております、今までと同じ利息金額、
を頂いていますと言うので、そうすると年に1500両と言う事じあなと言うと、ハイ、その通りですと言うので、藩財政は逼迫しており新田開発等はままならないと言う事じあがどうだろう、
藩の新田開発をそなたが総て資金を、出してやってくれぬかと言うと、手前は商人で御座います、条件によってはお引き受けいたしますがと言うので、その条件とはと聞くと、まずはどの、
位開発されるお積りでと聞くので、今は6万石じあから4万石位じあろうというと、野原でも2万両はかかります、雑木のある場所ならその倍はかかるでしょう、それがしが負担できるのは、
1万両程度ですので、
野原の2万石がやっとで御座いますと言うので、それで条件はと聞くと、その土地は手前の息のかかった者に、庄屋をやらせる事に御座いますと言うので、税は従来通りに払うのじあぞと、
言うと、勿論で御座います、将来このお店が潰れた時に子孫が食うていければ宜しいのですと言うので、わかった、それだけでは気の毒じあ、そなたの身内の内1人を500石取りの藩士に、
してやろう、
この条件で1万両を供出してくれ、明日わしと同行してくれ、開発の手順を指南してやろう、やり方によって4万石は可能なのじあよと言うと、身内を武士に取り立てて下さるなら励みが、
でます、明日は同行させてくださりませと言うので、これで話しは決まった、それでは明日大工の棟梁を連れて旅籠まで来てくれと言う、と店を出て旅籠に戻ったのです、旅籠に戻ると、
飛猿が間違いなくここは忍宿の仕掛けがしてあります、
この奥に物置がありますが、横に扉があり下に行く階段があり地下の坑道に繋がっています、坑道は塀を越えて10間先の寺の竹林に続いており、出入りできるようになっています、いざ、
と言う時の逃げ道と、外から気づかれずにこの宿に入るためですと言うので、やはり呉服屋は隠密だったのじあな、それはそのままにしておくが良い、だれも気づかないじあろうと言っ、
たのです、
翌日郡奉行の時田に御座います、この者は郡方頭の杉山に御座いますと言うので、作衛門の娘を娶っているのじあなというと、ハイ、作衛門に新田開発を指南して下ださり、資金ので、
下げ渡していただいたそうで、2万石は来年まで作付け出来ると喜んでおりました、さらにご指南下さるそうで、それがしが詳しくお聞きしますと言うので、それでは広大な野原はある、
のかと聞くと、
牧の原台地と言う所があり、全部開墾できれば4万石にはなります、以前に開発しょうとして、まずは潅漑用水を山から引く工事を行ったのですが、山崩れを起して出来上がった用水路、
は総て埋まってしまい、開発は断念しましたと言うので、そこは地盤が軟らかいのであろう、硬い地盤だと費用がかかりすぎるからのうと言うと、ご明察に御座います、後はその台地、
の右を流れています、
広田川からの用水路を引くのですが、川底は低く台地まで1間半ありますので、水をくみ上げるしかありません、ので不可能ですが、ご老中が指南して下された水車により水を汲み上げ、
れば可能になります、4万石でも1万両もあれば可能ですが、我が藩には資金がありませぬと言うので、その資金はこの今津屋が出すその条件を言うと、郡奉行がその条件なら殿は了承、
して下さるでしょうと言うので、
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